無敗の格闘家でプロボクシングWBA世界バンタム級3位の那須川天心(26=帝拳)が接近戦での打ち合いでも世界上位と互角にわたり合った。
14日、東京・有明アリーナでWBOアジア・パシフィック同級王座決定戦に出場。同級1位として同級2位ジェルウィン・アシロ(23=フィリピン)とベルトを懸けて拳を交える。2日には東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開。WBO世界同級2位クリスチャン・メディナ(24=メキシコ)との3ラウンドのスパーリングに臨んだ。世界上位ランカー同士の打ち合いにも余裕を持って対応し、左ストレートなどを的確に打ち込んだ。
9月8日に来日して約1カ月間、スパーリング相手を務めてきたメディナは今年7月のジョナサン・ロドリゲス(米国)戦に続いての来日だった。メディナは「(那須川の)スピードもパンチ力もものすごく上がっていた。パンチのバリエーションもパンチの精度、角度も全部上がっている。確実にピンポイントで狙ってくる」と成長ぶりを強調。自らも那須川と同じサウスポーとの次戦が控えているため「天心選手とスパーリングできて自分もうれしい」と歓迎した。
さらに那須川が接近戦での打ち合いという新たな「武器」を手にしたと解説。メディナは「前回より、さらに僕がパンチを当てるのが難しくなった。前は長い距離が上手だったが、短い距離もうまくなった。僕自身を含めてメキシコ人は短い距離で戦うので好き。天心選手も僕らメキシコ人とスパーリングすることで短い距離で打ち合うことを覚えたのはでないか」と那須川の対応力の高さにうなずいていた。