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西日本を襲った記録的豪雨で犠牲者が出た岡山、広島、愛媛各県の計24市町で、災害情報の発信に交流サイト(SNS)のツイッターとフェイスブックの両方を利用している自治体は11市町だったことが21日、分かった。どちらか一つが9、いずれも使わない自治体も4あった。国は「複数のSNSを確保するのが理想」としており、自治体間でばらつきがある実態が浮かんだ。

20日時点で豪雨の死者が確認された20市4町を調査。フェイスブックとツイッターで避難指示や避難所開設、給水など被災者に直結する災害関連情報を継続的に投稿した自治体を集計した。

真備町地区が広範囲で浸水した岡山県倉敷市は、災害対策本部設置を手始めに、ツイッターで相次いで情報を発信。義援金詐欺への注意なども呼び掛けた。広島県呉市はフェイスブックで給水や仮設住宅などの情報を被災者に届けた。

情報を伝える手段として主流だった防災メールは事前にアドレスを登録した住民にしか届かず、防災行政無線は聞き逃す恐れがある。ホームページも、住民からアクセスしないと最新情報を入手できない。

対照的にSNSは、情報を瞬時に拡散することができ、知人に情報を知らせることも簡単にできるため、自治体のアカウントを知らない人にも情報が行き渡りやすいといった利点がある。このため、各地の自治体ではSNS導入が進んでいる。

内閣官房情報通信技術総合戦略室が2017年に実施した調査では、全国の1741自治体のうちSNSを災害対応に利用・利用予定の自治体数は14年には672だったが、17年になると941に増加。これらの自治体の人口を合計すると総人口の約86%になる。

同戦略室は自治体向けに災害対応のSNS活用ガイドブックを作成し、導入を推奨している。担当者は「災害情報発信では複数のSNSを確保しておくのが望ましい。SNSを活用し、災害対応の強化につなげてもらえれば」としている。〔共同〕



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