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文部科学省の医学部入試緊急調査を受け、日本大は12日、記者会見を開き、2017年、18年の一般入試で追加合格者を決める際、卒業生の子供計10人を優先する不適切な対応があったと発表した。この影響で追加合格できなかった10人について、19年春の入学を認める。

高山忠利医学部長は会見で「受験生や在校生、社会の皆様の信頼を損なうもので心からおわびする」と謝罪した。

追加合格者の判定では、医学部が同窓会から受験する同窓生の子供のリストを受け取り、高山氏ら3人がこの中から成績順に選んでいた。リストには毎年20人程度の名前があったという。

高山氏は「合格者の中から欠員が多く出る。入学意識が高く、付属病院などの維持発展に貢献する可能性が高い同窓生の一部の子女を優遇した」と説明。「私学の裁量の範囲のうちだと思ったが(文科省の)指摘を受け、不適切だと考えた」と話した。

こうした取り扱いは16年度入試でも行っており、8人が不利益を受けて不合格になった。8人の救済や、さらに時期を遡って調査するかどうかは今後検討するとした。

文科省の調査では、女子や多浪生を差別する得点調整は確認されなかったという。同省は医学部がある全国の81国公私立大を訪問調査してきた。これまでに同省からの指摘などを受け、日大を含めて計9校が不適切入試があったことを認めた。同省は近く調査結果の最終まとめを公表する。不適切事例などをもとに、入試の公正性を保つための国としての指針を示す考えだ。



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