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札幌市豊平区の爆発事故で、発生元とされる不動産仲介「アパマンショップ平岸駅前店」を運営する「アパマンショップリーシング北海道」の佐藤大生社長(39)は18日、スプレーを使う入居前の消臭サービスを顧客と契約しながら実施していないケースがあったと明らかにした。このため通常より多くのスプレー在庫を抱え、大量廃棄の一因になったとの見方を示した。

札幌市内で記者会見した佐藤社長によると、男性店長が店内にあった新品の消臭スプレー缶160本のうち、120本を廃棄しようとした。「爆発直前、店の1階で120本を机に置き、中身を一度に噴射した。可燃性という認識はなかった」と話したという。

佐藤社長らによると、男性店長は16日昼に店外でスプレーを噴射していたが、通行人の目が気になり午後8時すぎに店内で処理を再開。煙たくなったため、いったん外に出て15?20分後に戻った。手を洗おうと給湯器をつけたところ爆発が起きたと説明している。爆発では男女計42人が負傷し、重傷は男性店長1人だけだった。

店舗側は消臭サービスを実施しなかった理由について「契約が多く回りきれなかった」と説明しているという。同社によると、この店舗での未実施件数は不明だが未実施ならば顧客に返金するとともに、運営する道内全13店舗を調査する。

消臭サービスは最低1万円で、物件の規模に応じて料金が上がる。スプレーの仕入れ値は千円ほどという。

スプレーの販売会社などによると、缶を床に置いて噴射するタイプで、ボタンを押すと約4分間にわたり中身が出続けるという。道警によると、爆発当時、アパマンショップのドアや窓は閉め切られていたとみられる。

爆発は16日午後8時半ごろ、アパマンショップが入居する木造2階建ての「酒井ビル」で発生した。捜査関係者によると、店は1階と2階が外階段でつながっていたため、各階の室内が隔てられ、ガスの密度が高くなりやすい構造だった。店は18日に改装予定だった。

北海道警は店内に多量のガスが急速に充満し、爆発につながったとみて調べる。〔共同〕



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