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【シンガポール=中野貴司】トヨタ自動車とシンガポールの配車サービス大手のグラブは提携を拡大する。トヨタがグラブの保有するトヨタ車1500台に車両整備や保険サービスを提供し、効率的に車両を管理できるようにする。

トヨタは6月にグラブに10億ドル(約1120億円)を出資し、その後取締役や執行役員も派遣した。グラブで使う車両の走行データを収集し、新たなサービスの開発に生かすのが提携の狙い。2017年8月からグラブの保有車両100台を対象に同様の取り組みを始めていたが、車両を増やして提携の効果を高める。

車両に搭載したデータ収集端末を通じて、適切な整備時期を把握し、自動車保険料の低減にもつなげる。18日にシンガポールで記者会見したトヨタのアジア販売統括会社の松田進社長は「配車サービスで使われる車両は通常の車両より5倍の走行距離があり、より頻繁に整備する必要がある」と、効率的な車両整備の重要性を強調した。

韓国の現代自動車も11月に、グループの起亜自動車とグラブに2億5千万ドルを出資すると発表している。グラブの東南アジア事業を統括するラッセル・コーエン氏は18日、複数の自動車会社との連携について「それぞれ異なる目的がある。今回発表した車両の整備サービスではトヨタが最もすぐれた解決策を持っている」と説明した。



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