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【NQNニューヨーク=川上純平】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時40分現在は前日比11ドル33セント高の3万9181ドル57セントで推移している。3日発表の米雇用指標が労働市場の底堅さを示した。インフレ圧力が再び強まるとの見方から米連邦準備理事会(FRB)が利下げを先送りするとの懸念が広がり、米株に売りが出ている。半面、押し目買いが下値を支えている。

3日発表の3月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比18万4000人増だった。ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(15万5000人増)を上回り、賃金インフレが物価を押し上げるとの見方が改めて意識された。

アトランタ連銀のボスティック総裁は3日、FRBの金融政策について、年内の利下げが1回にとどまるとの見方を改めて示した。市場の想定よりも利下げが遅れるとの警戒感が高まった。

米長期金利は4.4%台前半と前日終値(4.35%)から上昇し、昨年11月以来の高水準となった。金利と比べた株式の相対的な割高感が強まり、米株相場の重荷となっている。

一方、ダウ平均は前日までの2営業日で637ドル下げた後で、押し目買いが入りやすい。10時に発表された3月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は51.4と、市場予想(52.7)を下回った。この直後にダウ平均の上げ幅は100ドルを上回る場面があった。

個別では、インテルの下げが目立つ。2日夕に半導体受託生産(ファウンドリー)事業の営業損失が2023年に拡大したと明らかにした。プロクター・アンド・ギャンブルアムジェン、ナイキにも売りが出ている。半面、キャタピラーとダウが高い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落して始まった。テスラが連日で下落している。



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