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【プレスリリース】発表日:2024年02月13日

超薄型な可変焦点レンズに偏光分離機能を統合

?次世代の光通信技術へ応用可能なメタレンズ?

国立大学法人東京農工大学大学院の羽田充利氏(専門職学位課程1年)と阿出川彪氏(2023年3月博士前期課程修了)、青木活真氏(博士前期課程2年)、早稲田大学理工学術院の池沢聡研究院講師、東京農工大学大学院の岩見健太郎准教授は、メタサーフェス(注1)を利用して、光通信波長帯において偏光を分離しながら焦点距離を調整可能なメタレンズ(注2)を実現しました。この成果は、高速かつ大容量な次世代の光通信技術への応用が期待されます。

本研究成果は、Optica (旧米国光学会 OSA) 発行のOptics Express(IF=3.833,電子版2024年2月8日付)に掲載されました。

・論文タイトル : Polarization-Separating Alvarez Metalens

・DOI : 10.1364/OE.516853

・URL : https://opg.optica.org/oe/fulltext.cfm?uri=oe-32-4-6672&id=546455

■研究背景 : メタアトム(注3)と呼ばれる光の波長より小さいサイズの構造体を配列して光を制御するメタサーフェスは、小型軽量な素子で様々な光学的機能を実現できることから、次世代の光学デバイスとして注目されています。これらは厚さ数百ミクロンの基板上に半導体の製造プロセスを用いて微細な柱状構造を配列したものであり、非常に薄型であるだけでなく大量生産も可能な特徴を持っています。また柱状構造の配置によってホログラフィや可変焦点レンズなど様々な機能を実現できるほか、メタアトムの形状によって偏光や波長に依存した設計も可能です。これらメタサーフェスの多機能性に着目し、今回私たちは、光通信技術へ応用可能な偏光の分離機能と可変焦点機能を併せ持つメタレンズを開発しました。

■研究体制 : 本研究は、国立大学法人 東京農工大学大学院 工学府 産業技術専攻の羽田充利氏(専門職学位課程1年)と同大学院工学府機械システム工学専攻の阿出川彪氏(2023年3月博士前期課程修了)、青木活真氏(博士前期課程2年)、早稲田大学理工学術院の池沢聡研究院講師、東京農工大学大学院工学研究院先端機械システム部門の岩見健太郎准教授により行われました。また、本研究の一部は日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B)(一般)(21H01781)、基盤研究(C)(22K04894)の支援により行われました。また、本研究の試料作成には、文部科学省「マテリアル先端リサーチインフラ」事業(課題番号 JPMXP1223UT1008)の支援を受け、東京大学微細加工拠点の共用設備を利用させていただきました。解析の一部は、東京工業大学のスーパーコンピュータTSUBAME 3.0を利用して行われました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/668314/01_202402131209.pdf



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