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高々と舞い上がった打球が歓喜のヤクルトファンで埋まった右翼席へ吸い込まれた。九回、同点に追いついた直後に川端がサヨナラ3号2ラン。「気持ちがいい。最高です」とプロ13年目で初の劇的アーチを喜んだ。
前日は六回に勝ち越し3ラン。連夜の本塁打は、首位打者を獲得した2015年前後の打撃フォームの映像をチェックした成果だった。「上げた右足をいつの間にか早く着地させるようになっていた」。弧を描くようにして足をつく元のフォームへ戻し、最高の結果へつなげた。
川端が「おかげで楽に打席へ入り、百パーセント思い切り引っ張れた」と感謝したのが、1点を追うこの回、先頭で四球を選んだ山田哲の足を使った攻撃だ。次打者・バレンティンの初球に二盗し、遊ゴロで三進。畠山の右前適時打で悠々と同点のホームを踏んだ。
「絶対に(初球で)行こうと思っていた。価値ある盗塁だった」と山田哲はリーグトップに立つ19個目の成功に満足そうな笑顔を見せた。
チームは今季5度目のサヨナラ勝ちで2カード連続の勝ち越し。3位タイへ浮上した。交流戦で最高勝率を獲得した粘り強い戦いぶりを取り戻しつつある。「勢いに乗っていきたい。3タテ(連勝)できるように、とにかくあした勝ちたい」と川端。夏場に入り、チームのムードも高まってきた。(三浦馨)