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 【ベルリン=宮下日出男】米国が離脱表明したイラン核合意をめぐり、欧州連合(EU)は16日、ブリュッセルで開いた外相理事会で、米国が再開する対イラン制裁への対抗措置の一環として、EU域内企業に対し、制裁に従わないよう命じる「ブロッキング規則」の発動を承認した。

 規則は8月6日に発効する。米国は制裁再開の第1弾として同日からイランとの自動車などの取引を禁じ、11月4日には石油関連や同国中央銀行との取引も禁じる。これに対しEU側の規則は、制裁に関する米国など第三国の司法判断をEU域内で無効とし、制裁で生じた損害の回復の請求も企業に認める内容だ。

 イランは核合意残留の条件として、合意に伴う制裁解除で可能となった経済取引などの利益保護を要求。ただ、仏石油大手が天然ガス開発の契約撤回を示唆するなど、欧州企業にはすでにイラン事業縮小の動きが相次いでおり、規則の効果は限定的ともされている。

 一方、英紙フィナンシャル・タイムズは17日までに、欧州企業への制裁の適用除外を求めた英仏独とEUに対し、米国側が書簡で正式に拒否する方針を伝達したと報じた。



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