ニュース本文


 熊本県教育委員会は7日、県立水俣高(水俣市)に半導体情報科を開設すると発表した。来年4月からで、定員20人を募集する予定。同県では、半導体受託製造最大手・台湾積体電路製造(TSMC)の工場進出で半導体関連の人材は需要が高まっており、定員割れが続く高校の活性化にもつなげたい考えだ。

日本通運、熊本県益城町に半導体関連の物流倉庫を開設…最新空調システムや非常電源備える

 県教委によると、半導体関連の新学科開設は全国初という。現在の電気建築システム科電気コースを改編して開設する。同コースは約10年定員割れが続いていることから、生徒の増加も期待されている。

 水俣市には、半導体製造に必要なクリーンルームの設計、施工などを手掛けるアスカインデックス(東京)が、半導体について学べる研修施設を設けている。昨年11月にはTSMC進出などを契機に、市と水俣高、アスカインデックスで半導体関連人材の育成を図る連携協定を結び、学科開設を検討していた。

 県教委は「高校の魅力が高まり、人材育成にもつながってほしい」と期待を込め、小中学校での出前授業などを予定する水俣市の担当者も「人材が育てば企業誘致にもつながる」と歓迎する。

 熊本県内の半導体人材の育成を巡っては、熊本大が今春に新学部「情報融合学環」、県立技術短期大学校が「半導体技術科」を開設。熊本高専や熊本工高も半導体を学ぶ科目を設けている。