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【北京=東慶一郎】中国政府による日本人への短期訪中ビザ(査証)の免除措置が30日、再開した。初日に中国に入国した日本人からはビザ免除再開を歓迎する声が聞かれたものの、中国各地で相次ぐ殺傷事件などの影響もあり、日本人の渡航客がどこまで増えるかは見通せない。
ビザの取得が不要になったのは、30日以内の商用、観光、交流などを目的とする訪中だ。期間は来年12月末まで。中国としては、日本からの投資や観光客を呼び込み、経済の浮揚につなげる狙いがある。
30日昼、北京首都国際空港に東京からの直行便で到着した埼玉県の男性(50)はスキーのコーチを務めており、「毎年のように大会のため中国に来る。今回はビザを取得したが、これからは楽になるのでビザ免除はうれしい」と笑顔で話した。駐在のため中国入りした会社員男性(44)も「単身赴任なので家族が中国に来やすくなるのは良かった」と喜んだ。
ただ、この日、日本からの直行便に乗った日本人客は中国人客に比べると少なかったという。日中関係筋は「治安や『スパイ容疑』での拘束に対する不安は根強く、どこまで日本人の訪中が増えるのかは読めない」と語った。
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