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[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は、トランプ米大統領が中国に対する関税を大幅に引き上げることを検討していると警告したことを受け売り込まれ、主要3指数は急落して終了した。
トランプ大統領はこの日、 中国がレアアース(希土類)に関連するあらゆる生産要素に輸出規制を課す計画という書簡を世界各国に送っているとし、中国が世界経済を「人質」に取ろうとしていると 自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿。 中国製品に対する関税の大幅な引き上げを検討するとしたほか、中国の習近平国家主席と会談する「理由はない」とした。
トランプ氏の投稿が突然だったため、 市場は不意打ちを受けて動揺。すでに緊張が高まっている米中関係が悪化する恐れがあるとの懸念から主要3指数は急落した。ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは約878ドル下落して引けたほか、ナスダック総合(.IXIC), opens new tabは約3.5%安、S&P総合500種(.SPX), opens new tabは約2.7%安で終了。ナスダック総合とS&P総合500の1日の取引としての下落率は4月10日以来最大となる。
カーソン・グループ( ネブラスカ州オマハ)の でチーフ・マーケット・ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「トランプ大統領の投稿が唐突だったため、ボラティリティが極端に高まった」と指摘。「世界第1位と第2位の経済大国の言い争いが再燃したことで、週末を控えまず売って、その後で真偽を確認しようとする心理が働いた」と述べた。
レアアースが懸案となっていることを背景にフィラデルフィア半導体株指数(.SOX), opens new tabは6.3%下落。市場の不安心理を映すCBOEボラティリティ指数 (.VIX), opens new tabは6月19日以来の高水準を付けた。
米市場上場の中国株は軒並み急落。中国電子商取引大手アリババ・グループ、中国の電子商取引大手、京東集団(JDドットコム)、格安電子商取引(EC)サイト「Temu(テム)」を展開する中国のPDDホールディングス(PDD.O), opens new tabは5.3─8.5%下落した。
このほか、米半導体大手クアルコム(QCOM.O), opens new tab は7.3%安。中国国家市場監督管理総局(SAMR)がクアルコムによるイスラエルの半導体メーカー、オートトークス買収を巡り、独占禁止法違反の疑いで調査を開始したと発表したことが嫌気された。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.36対1の比率で上回った。ナスダックでも4.93対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は242億6000万株。直近20営業日の平均は201億5000万株。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場



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