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トランプ米政権は、首都ワシントンで州兵2人が銃撃された事件を受け、移民規制を一段と強化する方針を示した。
事件は26日にホワイトハウス近くで発生。アフガニスタン出身のラフマヌラ・ラカンワル容疑者(29)に撃たれた州兵2人は27日時点で依然重体。同容疑者は現場で取り押さえられ拘束された。
連邦当局は今回の事件を受け全米規模の広範なテロ捜査を開始している。捜査当局は現場検証を進める一方、ワシントン州やカリフォルニア州でも関連先の家宅捜索を実施した。
トランプ大統領とバンス副大統領ら政権幹部は、ラカンワル容疑者を米国内に入国させたとしてバイデン前政権を非難。アフガニスタン出身者の移民審査の停止や、既に米国内にいるアフガニスタン人の在留資格見直しなど、より厳格な移民規制を推進する構えを示した。米軍に協力したアフガニスタン人の定住権が制限される可能性も浮上した。
トランプ氏はホワイトハウスが26日に公表した録画演説で「バイデン政権下でアフガニスタンから入国したすべての外国人を再調査し、米国にふさわしくない、あるいは利益をもたらさない外国人を排除するため、必要なあらゆる措置を取らなければならない」と述べた。
米市民権・移民業務局(USCIS)のジョゼフ・エドロウ局長も27日、トランプ大統領の指示の下で「懸念される国出身のすべての永住権保持者について全面的かつ厳格な再審査を行う」とSNS投稿で明らかにした。具体的な国名は示さなかった。
当局によると、ラカンワル容疑者はワシントン州で妻と5人の子どもと暮らしていたが、約4800キロ離れた首都ワシントンまで車で移動し、犯行に及んだとみられる。
ラカンワル容疑者は2021年のアフガニスタン混乱期に米国へ避難していた。非営利団体アフガンイーバックによれば、容疑者はイスラム主義組織タリバンとの戦いで米中央情報局(CIA)の支援を受けたアフガニスタンの対テロ部隊に所属していた。当初は人道的仮滞在資格で入国し、今年に入ってトランプ政権から亡命を認められていた。
原題: Trump Orders New Immigration Curbs as FBI Probes Guard Shooting(抜粋)
— 取材協力 Hadriana Lowenkron and Myles Miller