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Lifehacker 2025年8月1日掲載の記事より転載
私のSamsung Galaxy S25 Ultraレビューは、ほとんどの点で非常にポジティブなものでした。間違いなく今年のベストスマホの1台と言えるでしょう。
しかし、すべてがしっくりきたわけではありません。特に、Sペンはどうにも冗長な存在に感じられてならず、レビューを書き終えて以来、この内蔵アクセサリーをスロットから一度も取り出していないのです。
💡 この記事のポイント Galaxy S25 Ultraでは、SペンのBluetooth機能が廃止されるなど、その役割が大幅に縮小された。
筆者の実体験として、メモや操作の多くは指で十分なため、レビュー執筆後Sペンを全く使わなくなってしまった。
Sペンを廃止すれば、本体デザインの向上やバッテリー容量増加のメリットがあり、S26 Ultraで廃止されても不思議ではない。
10年以上の歴史があるSペンの現在
この洗練されたスタイラスペンは、2011年にSamsung Galaxy Noteと共に登場して以来の長い歴史を持っています。
当時は、スマホとタブレットの中間を意味する「ファブレット」という言葉が生まれた時代。2020年のNote 20を最後にNoteシリーズが終了したあと、Sペンは2021年のGalaxy S21 Ultraでサポートが継続され、翌年のGalaxy S22 Ultraではついに専用のスロットを手に入れました。
Sペンは長年にわたり、Samsungの様々なタブレット、ノートPC、折りたたみスマホでもサポートされてきました。しかし今、その存在感は薄れつつあるようです。
最新のGalaxy Z Fold 7ではサポートされず、Galaxy S25 Ultra版ではいくつかの機能が削られてしまいました。
Galaxy S25 Ultraを使ってみて、SamsungがSペンの機能を縮小していることに驚きはありません。そして、来年のGalaxy S26 UltraでSペンが姿を消したとしても、私はきっと「やっぱりな」と思うことでしょう。
一体、みんなどんなことに使っていたの?
最新のSペンでは、Bluetooth機能が廃止に Photo: Lifehacker US
以前のSペンにあった便利な機能が、S25 Ultraではなくなっています。
なくなった機能 ・Bluetoothを使った写真撮影のリモートシャッター機能・プレゼンテーションのスライド送り機能・特定のアプリを起動したり、ほかのアクションを起動するジェスチャー機能
Samsungによれば、これらの機能を使っていたユーザーは全体の1%未満だったとのこと。
公式のリストを見ても、今やSペンで「できなくなったこと」の紹介がほとんどを占めている始末です。さらに、Galaxy S24 Ultraに付属していたような古いSペンを、S25 Ultraで使うこともできません。
もちろん、メリットもあります。Sペン自体とGalaxy S25 Ultra本体は結果的に軽くなりましたし、新しいSペンはバッテリーが不要になったので充電の心配もありません。
しかし、Samsungにとっての製造コストも下がったはずですが、S24 UltraとS25 Ultraの発売価格に差はありませんでした。
手書きメモより、指でのタップが楽な現実
Sペンで使える機能の一覧も、以前より少なく Photo: Lifehacker US
結局のところ、今Sペンでできるのは、スケッチやメモ書き、そしてボタンやメニュー、画像、テキストを選択するといった基本的な操作だけ。
こうしたことは、多くの人が指で事足りると感じているのではないでしょうか。もちろん、これは人によるでしょうが、私自身はGalaxy S25 UltraでSペンをわざわざ抜き差しする場面には、ほとんど出くわしませんでした。
たしかに、ロック画面に手書きでメモを取れるのは、ある意味便利かもしれません。でも、正直なところ、普通にタップして文字入力する方が簡単で手軽ではないでしょうか。少なくとも私はそうです。
Google Keepのような優れたメモアプリの多くが手書き文字を認識し、デジタルテキストに変換してくれる機能を持っているにもかかわらず、です。
それでもSペンが活躍するシーンも
Galaxy S25 UltraのSペンでもっとも楽しい体験ができたのは、ちょっとした落書きをスケッチしている時でした。
何かを描くとAIがそれをより完成度の高い絵に仕上げてくれる「描画アシスト」機能は、5分くらいは楽しめます。もっとも、出来上がったものが頭の中で思い描いていたものと一致することは稀でしたが。
とはいえ、私は絵を描くのが好きなので、指で描くよりもSペンを使った方がずっと楽しく、正確に描けるのは事実です。
Androidのメモアプリやお絵かきアプリを立ち上げれば、アイデアをフローチャートにしたり、デザインのモックアップを作成したり、あるいは単に短いマンガを描いたりする際に、Sペンは俄然その真価を発揮し始めます。
Androidには、意外と質の高いお絵かきアプリが揃っています。たとえば、Infinite Painter、Sketchbook、Kritaといったアプリがあり、Adobeも最近Android版のPhotoshopを再リリースしました。これらはどれもプロレベルのアートワークを作成できる性能を持っており、Sペンと組み合わせることで、いつもの体験が格段に向上します。
しかし、こうした本格的な作業をスマホで行う人は多くないでしょうし、プロのクリエイターなら間違いなくもっと大きなキャンバスを使いたいはず。その意味で、今年のSamsungの折りたたみスマホからSペンのサポートがなくなったのは残念です。
とはいえ、ほとんどの折りたたみスマホのユーザーは、Sペンよりも薄いデバイスと長いバッテリー寿命を望んでいるに違いありません。
Sペン廃止は、より良いスマホへのトレードオフか
もちろん、SamsungのGalaxyスマホでSペンをフル活用しているユーザーもいるでしょう。しかし、全体から見ればその割合は減り続けているのではないかと私は想像します。
もしGalaxy S26 UltraからSペンをなくすことで、デバイスのデザインやバッテリー容量の面でメリットが生まれるのであれば、Samsungはその決断を下すのではないでしょうか。



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