2007年も夏に甲子園に出場したものの初戦で広陵(広島)に敗れると、その後は不祥事もあって低迷。連覇時にチームを指揮していた香田誉士史監督も2008年3月に退任となった。その後、センバツには2014年、2018年と2度出場しているものの、夏に関して言えば2007年以降一度も甲子園に到達することができていない。南北海道の中でも北海、北照などの強豪チーム相手に勝てない大会が続いている。初優勝の時は北海道が歓喜に沸いただけに、再び甲子園で勝ち進むことを期待しているファンも多いはずだ。

 2010年代に一気に強豪校となったのが秀岳館(本)だ。松下電器(現・パナソニック)で選手、監督として結果を残し、その後は中学野球のオール枚方ボーイズを強豪に育てた鍛治舎巧氏が2014年に監督に就任すると、翌2015年秋には九州大会で優勝。2016年春、夏、2017年春と3季連続で甲子園で準決勝進出を果たし、優勝まであと一歩に迫るまでの強豪となった。しかし2017年夏は甲子園で2回戦で敗れると、鍛治舎監督が退任。その後も熊本県内で上位に進出することはあるが、甲子園に出場することはできていない。ここまで短期で結果を残した例も珍しく、監督の力がいかに大きいかということをよく示していると言えそうだ。

 ここまでは苦しんでいるチームを取り上げたが、今後が楽しみなチームも存在している。その代表例が創志学園(岡山)だ。2010年に創部すると、その年の秋季大会を1年生だけで勝ち進み、2011年春には早くもセンバツ出場を果たす。翌年以降は少し勝てない時期が続いたが、2016年から2018年にかけて4度甲子園に出場。高田萌生(元・巨人楽天)、西純矢(阪神)、草加勝(中日)などプロ野球選手も輩出している。2022年8月には東海大相模で春夏合わせて4度の甲子園優勝を果たした門馬敬治監督が就任した。2023年秋には中国大会で準優勝を果たすと、今年春のセンバツでも1勝をあげた。

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創志学園は名将就任で新たな時代に…