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中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 景気回復に不透明感
 中国国家統計局が27日発表した1─3月の工業部門企業利益は前年同期比4.3%増と、1─2月の10.2%から伸びが鈍化した。写真は2020年5月、江蘇省の港湾で撮影。チャイナ・デイリー提供(2024年 ロイター)
[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した1─3月の工業部門企業利益は前年同期比4.3%増と、1─2月の10.2%から伸びが鈍化した。3月単月は減少に転じており、中国の景気回復を巡る不透明感が強まった。
1─3月の利益は1兆5000億元(2070億ドル)だった。3月単月では3.5%の減益だった。1─2月は単月の数字を公表していないが、先月の発表時に2023年8月から増加が続いていると説明していた。
中国の第1・四半期国内総生産(GDP)は堅調な結果となったが、3月の小売売上高や鉱工業生産などの指標は内需の弱さを浮き彫りにした。
統計局によると、第1・四半期はハイテク製造業が29.1%増益となり、全体の伸びをけん引した。企業の利益回復にはばらつきがあるという。
自動車製造業の利益は32%増加した。
ジョーンズラングラサール(JLL)の大中華圏担当チーフエコノミスト、ブルース・パン氏は、製造業の事業環境は大規模な設備更新などの政策の恩恵を受けるため、改善する見込みだと述べた。
ただ、「今後の政策は、供給側よりもむしろ需要側に軸足を置くべき」と指摘した。
工業部門企業利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元(276万ドル)以上の企業を対象としている。

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