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三峯神社権禰宜の山中俊宣さん(筆者撮影)

「以前は取材やロケなどはお断りしていましたが、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の末、お受けするようになりました。神社も新しい感覚で、新しいことに取り組まなければ、衰退してしまいます。

そもそも、神社とは自然の恵みを与えてくださる神様に対して、感謝の意を述べる場であり、神様と参詣に訪れる人々の間を取り持つのが、神職の役割です。参詣客が訪れず、神職が祈っているだけでは、神社の存在意義がありません。

もちろん、一定の節度は必要ですが、若い世代に神社のよさが伝わるのであれば、パワースポットとして紹介していただくのも、かまわないと思います。ただし、神社の側から、うちはパワースポットですと情報発信することは、いっさいありません」という。

山中さんは、伊勢神宮や出雲大社の式年遷宮などの行事がメディアで報じられたことや、和食などの日本の文化に注目が集まっている時代の流れも、近年、神社が見直されるようになった理由ではないかと話す。

月に1度だけ頒布される特別なお守り

毎月1日に頒布される、白い氣守(写真提供:三峯神社)

三峯神社には、三峯山の霊気がしみ込んだご神木のお守り「氣守」というお守りがあり、普段は、赤・青・緑・ピンクの4色の氣守が頒布されている。

しかし、月に1度、朔日(ついたち)のみ、桐の箱に入れられた特別な「白い氣守」の授与が行われ、これが大変な人気を呼んでいる。この特別なお守りが頒布される朔日は、毎月、渋滞が起き、最近では、神社駐車場から秩父市役所大滝総合支所付近まで、15キロに及ぶ渋滞が発生したこともある。

二瀬ダムから三峯神社に至る県道沿いには、所々に仮設トイレが設置されているが、これは、月に1度の“渋滞対策”だという。

さて、この白い氣守とはどのようなものなのか、山中さんに聞いた。


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