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今回ランエボとの共用化で話題になったメガーヌR.S.の下には、「ルーテシアR.S.」がある。ともに日本でも販売されているが、直列4気筒ターボエンジンはメガーヌが2L、ルーテシアが1.6Lと異なっている。

2つのエンジンは生産拠点も異なる。メガーヌR.S.のそれはフランス製、ルーテシアR.S.用は日本製だ。つまり日産の工場で作られている。次期ランエボと逆のパターンが、すでに実行中なのである。

ルーテシアR.S.のエンジン型式名はM5Mで、M系というグループに属する。このM系、日産ではRを加えてMR系となり、同じ1.6Lターボは「ジューク」の16GTや「ニスモ」に積まれ、MR16DDTという型式名となっている。細部のチューニングは異なるものの、基本設計は共通だ。

エンジン開発についてのルール

ルノーと日産がアライアンスを組んだとき、エンジン開発についてはガソリンが日産、ディーゼルがルノーという役割分担が決められた。ルーテシアR.S.は旧型までは、ルノーが設計した2L自然吸気エンジンを積んでいた。しかしルールに則り現行型は日産設計となったのだ。

現行メガーヌR.S.

一方メガーヌR.S.のエンジンは、旧型ルーテシアR.S.のそれをターボ化したという成り立ちなので例外となる。しかし9月にヨーロッパで発表される次期型は、ルーテシアR.S.と同じM系になると言われている。復活するランエボが積むと予想されているのもこれだ。

ただしガソリンエンジンでも欧州が主要マーケットという場合には、フランスで生産される。欧州向けジュークに積まれている1.2Lターボエンジンはそのひとつで、普通のルーテシアに積まれて日本で販売されているものと共通だ。

日本で販売される日産車では、「スカイライン」が2Lターボエンジンを積んでいる。しかしこちらは2010年に提携を結んだダイムラーグループのメルセデス・ベンツから供給されている。日産自前の2Lターボではない。しかも縦置き後輪駆動用なのでランエボへの採用は難しい。

メルセデスには「Aクラス」などに横置き前輪駆動用の2Lターボもある。しかし三菱はかつてダイムラー(当時はダイムラー・クライスラー)傘下にあり、三菱のリコール隠しが原因で相手側が提携解消を申し出てきたという結末だったので、再び手を結ぶことは考えにくい。


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