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:「じゃ、ルールは作ったとして、もしそのルールが守れなかったらどうする?」

:「ちゃんと守る」

:「ちゃんと守れないときはどうする?」

:「……」

:「守れないときにどうするかを決めておかないと、『約束破った』と言って怒られることになるけど」

:「そのときはもうゲームをやらない」

:「でも、ゲームやらないようになっても、またやりたくなるよね。だからたとえば3日間はやれないというようなペナルティを初めに決めておくのがいいと思うんだけど」

:「わかった」

:「ペナリティは決めたら必ず、3日間禁止みたいに実行されるけども、そうなったときに、それを嫌がって、ふてくされたり、暴れたり、泣いたりとはそんな状態にはならない?」

:「うん。大丈夫」

実際、ペナルティを実行したときには、嫌がったり、泣いたりするかもしれません。しかし、決め事は決め事。ここでしっかりとやらなければ、同じことの繰り返しになってしまいます。そして一度実行すると、次からはルールを破る確率がグッと減ることでしょう。

子どもの長所を引き出す

? 徹底してゲームをやらせる

さて、2つ目の解決策です。これは、子どもの長所を伸ばす方法です。この方法はあまりにも非現実的に思えるため、実行されない可能性もありますが、実際に行っている方もいます。

それは「ゲームを徹底してやらせる」ということです。先ほどのアプローチとは真逆です。通常、親はこの方法は選択しませんが、考えようによっては、もしかしたら、子どもの長所はこのようなゲームに関連する能力にあるのかもしれません。小3で平日に3時間、休日に6時間もゲームをやり続けるという力は、ある意味、すごいことです。それだけ集中して行うことは通常できません。

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実は、この方法は、子どもの長所を引き出すことによって将来の職業につなげるという意味もありますが、もう一つ逆の方向もあるのです。つまり、子どもがゲームざんまいである場合、制限なくやり続けると、そのうち飽きだすということも考えられますね。たとえば好きな食べ物だからといって毎日食べていたらそのうち飽きます。たまに食べるからおいしさを感じるものです。ですから、長所がゲームの中に隠れていれば、それが開発されますし、そうでなければ、そのうち自分で制限し始めるようになるということです。

しかし、このような理屈がわかっても、親としては、「このままゲームばかりで親の言うこともいっさい聞かなくなったらどうしよう」と不安がよぎります。それはそうでしょう。ですからこれを選択するかどうかは、家庭の判断となります。いちばんよくないのは中途半端な対応をすることです。一貫性がなくなるとよくありませんから、その点を考慮に入れて、どう対応するか考えてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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