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まず単線分析から解説しよう。移動平均線はその計算方法から、慣性の力が働きやすい。移動平均線が右肩上がりなら株価は上昇トレンド、右肩下がりなら株価は下落トレンドをたどることを想定する。「Trend is your friend」とも言われるように、トレンドには逆らわないことが重要といえる。

現状、代表的な日経平均株価の25日線は下向きに転じている。短期的には下落トレンドということだ。だが、一方で長期トレンドはどうか。代表的な200日線の傾きはなお右肩上がりの上昇トレンドを継続しており、短期的に調整しても、一時的な下げにとどまるだろうと読める。

いったん、徐々に売り圧力が強まる可能性も

もうひとつは複数線分析だ。2つの移動平均線(たとえば25日線と75日線)の交差を使う代表的な方法に、ゴールデンクロス(GC)やデッドクロス(DC)がある。ちなみに25日線と75日線での交差はミニGC、ミニDCと呼ばれる。2つのうち、より短期の移動平均線がもうひとつの移動平均線を下から上に交差するのがGC、その逆がDC。遅効性があるが、前者は上昇のサイン、後者は下落のサインとされる。

足元では、17日現在の日経平均株価の25日線(1万9952円)と75日線(1万9918円)がミニDCになりそうだ。しかも今後は中期トレンドを示す75日線は横ばい、もしくは緩やかな下落に転じるとみられ、徐々に戻り売り圧力が強まり、需給悪化が懸念される。

また上記2つの分析以外にも「2本の移動平均線の放れ度合い」(収束と発散)に注目するチャート分析があり、これも有効な分析手段のひとつになる。株価のモミ合いが長らく続くと、短期の25日線、長期の200日線が接近する局面(収束)が訪れる。これは短長期の損益分岐点が近づくことから需給面におけるしこりがほぐれつつ、近い将来の株価が大きく上下へ放れる兆しともいえる。

この収束と発散に注目して足元の日経平均株価を見るとどうか。8月17日時点で25日線(1万9952円)と200日線(1万9235円)は依然として700円以上も離れていることから、しばらく調整局面が続きそうだ。今後は移動平均線同士が収束へ向かい、短期投資家と長期投資家の足並みがそろえば、再び戻りを強めるかもしれない。

さて、今度は日柄(サイクル)面から天底を探ってみよう。日経平均株価が2015年6月高値2万0868円をつけてから2年超が経過するなか、その前後の調整局面を振り返ると、「安値」と「安値」の間に4?5カ月(90?106日)のボトムサイクルが浮かんでくる。


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