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そうすると、必然的に私もそうでしたが独学で勉強をして、独自のやり方で仕事を覚える、ということをせざるをえないわけです。それが大企業なら、新卒社員の導入研修がご丁寧にマナー研修からあったり、現場配属後はいわゆる先輩社員がいろいろと教えてくれたりとするものです。

私自身としては、自分の努力次第でどこまででも上に行ける「可能性のある」、そのような環境を欲していたからこそ、そういったベンチャー企業に飛び込んだわけですが、いかんせん前述のとおり自己流にすべてがなるわけですから、客観的視点がどうしても欲しくなるわけです。具体的には、「この会社ではこのやり方が通用したが、ほかの会社ではどうなのだろう」といったようなことですね。

世間知らずや井の中の蛙(かわず)になったり、間違えた自信を持たないように、客観的な環境における自分の実力のチェックがしたかったわけです。

理由がそれだけであれば転職という選択肢もあるのですが、もう1つ、ベンチャー企業における仕事が自己流であり、なおかつ実務中心にどうしてもならざるをえないので、今後のキャリアを考えて自分の経験を自分の中で整理し体系化したい、という欲求があったのです。

といいますのも、私にとって最高の学びは「実践と学習」のループを絶え間なく回して、そのバランスが取れている状態であろう、という考えを持っているからです。

自己流でやる中で、各種資格の取得などをベンチャー企業にいる間に文字どおり寝る間を惜しんでしてきたわけですが、ビジネス・経営系の最高峰であるMBAをどうしても狙いたかったのです。

それに加え、私自身が決してトップ大学を出ているわけではないので、非常にお恥ずかしいながらそのコンプレックスの払拭のために最高の環境と世界の中でのbest & brightestに囲まれて勉強でき、なおかつ誰もが知っているブランドを欲していたというのがあります。

ケンブリッジを選んだ理由

さらに、2年間ではなく1年間で集中して一気に学び、早く仕事の場に戦線復帰したい、という欲もありましたから、MBAが1年制のケンブリッジとオックスフォードしか受けていません。そしてありがたいことに両校よりオファーをいただきました。

そして最後の理由、休暇。これは当時ここでは決して書けないような仕事量と時間を、文字どおり血を吐いてまでこなしていまし、仕事以外にほぼ何もしていなかったので、社会に出て初めての休暇を取りたかったというのも事実です。

MBAに行って、社会人になって以来初めて1日3時間以上寝ましたし、お酒を飲む時間もようやく確保できるようになったのです。

そのような理由で、MBA、それもケンブリッジに行ったのです。


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