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自身は、22歳で初めて受けたマッサージの体験が強烈だったことから、この道を志した。無気力だった日々が、マッサージを機に心身にエネルギーがみなぎり、そのまま施術してくれた先生に弟子入りした。

養成校の短期講座を受けたり、実習をこなしたりして、プロに。その後、女性のセラピストから、オイルマッサージについて学び、奥深さに開眼した。さらに学ぶため、エステサロンでの勤務をしながら、アロママッサージやフェーシャル、スポーツマッサージ、痩身、ダイエットなど、技術や知識の分野を広げていった。

女性客が男性施術師に期待していること

「女性のエステティシャンの層は厚く、技術のレベルも相当高い。加えて、男性エステティシャンはサロンへの就職がまだ狭き門。さまざまなニーズに対応できることを強みにしたかった」(土岐氏)。

「青の家」の金澤氏も、「男性エステティシャンを受け入れるサロンがまだ少ないので、ここでは男性も採用すると聞き、応募する志望者も増えている」と話す。「男性エステティシャンはおすすめだが、現時点では女性の比重が高い。せっかくの有望な男性の応募を断らなければいけないことが多い」(同氏)

土岐氏は8年前にサロンをオープンし、当時は珍しかったため、男性エステティシャンとして、メディアへの露出も増えた。それに伴い、男性エステティシャンから、集客についての相談を受けることも多くなった。

「男性エステティシャンに求められていることを誤解している人が多い。『女性ホルモンが活性化される』といううたい文句を出している人があまりにも多い。これでは逆に女性が引いてしまう」

エステサロンを訪れる女性にとって、男性に期待しているのは、「性的なサービス」ではない。「わざわざ少数派として美容業界で働く男性に求められているのは、オタク気質の深い専門知識。実際、何でも詳しいと思われて、コスメの質問まで受ける」と土岐氏は話す。


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