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1つ目のFBIの捜査は何を意味するのか。今回のセクハラ疑惑、性的犯罪疑惑をすっぱ抜いたのはニューヨーク・タイムズ紙であり、ニューヨーク市警は独自の判断で、ワインスタイン氏をめぐる刑事事案を立件しようした。しかし、これまでのところ実現していない。

ところが、国際的にも被害者がいることが英メディアで報じられ、ロンドン警視庁(スコットランドヤード)が動き出したと速報した。米最新報道では、ワインスタイン事件は5件の被害者の告発があるようだ。

FBIのクリストファー・レイ長官とは?

外国の捜査当局が動き出すことになれば、それだけで国境を超えた事案ということになり、米国ではFBIが出動することになる。慣習法の国である米国においては、刑事事案として証拠がなくとも、その事案がメディアに報じられれば、FBIは捜査を開始してもよいということになっている。

FBIが捜査に乗り出すことになれば、当然、クリストファー・レイ新長官の出番ということになる。トランプ大統領が指名したFBI新長官のレイ氏については、辣腕、腕利きの法律家として定評がある。

この5月にトランプ大統領に解任されたジェームズ・コミー前FBI長官、その先輩で目下「ロシアゲート」疑惑を捜査中のロバート・ミュラー特別検察官と比べても、勝るとも劣らない実力の持ち主だ。

そのレイ氏は、かつてニュージャージー州のクリス・クリスティ知事が窮地に立たされたとき、同知事を弁護して救ったことがある。クリスティ知事とトランプ氏とは無二の親友である。くしくもトランプ氏がレイ氏をFBI長官に指名したのも、トランプ氏一流の勘が働いたか、トランプ氏とレイ氏との間には、何らかの因縁とか、相性のよさがあるのかもしれない。

このレイ氏とトランプ氏との間接的な近さについては、もちろん上院で厳しく審議されたが、結果的には、上院は圧倒的多数でレイ氏の長官就任を承認している。


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