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私は7つのポイントを挙げています。

(1)世界にはおカネがあり余っている

過剰にマネーが流通しています。このマネーバブルは、世界の中央銀行の歴史的な金融緩和政策のため、世界中でおカネが余っていることから起こっています。これがまず、すべての経済現象のベースとなる第1の特徴です。

(2)市場では、値上がり狙いの短期売買が増えている

短期決戦。局地戦になっている。これも世界的な傾向です。アルゼンチン国債の申し込みが3倍以上ありました。不安定な政情のコートジボワール国債でさえ売れている。「誰が買うのですか」という国債にマネーが集まっています。短期決戦のマネーバブルだからです。

(3)世界的な大変革期を迎え、将来予測が非常に難しい

戦国時代に、信長の後継者が豊臣秀吉になると予想した人は、おそらく誰もいなかったはずです。当時、秀吉は尾張の一介の農民でしかありません。それが天下を治め、太閤に成り上がったのです。

諸説ありますが、織田信長はいつ殺されるかわからないリスクを遠ざけるために、「織田のうつけ者」として馬鹿のまねをして過ごしていたのだと私は考えています。それで生き残ることができた。天下を取る足がかりができたわけです。やがて自分の地位に代わりそうな弟まで殺して、のし上がっていきました。織田信長はそういう武将です。

世界の変革期である今も同様でしょう。日本と世界の今後はますます予想が難しく、誰も明確には先が読めないのです。

大きな世代交代

(4)市場でバブル崩壊を経験した人がしだいに減っている

相場に、バブルとバブル崩壊の時代を経験してきた人が少なくなって、世界と日本で大きな世代交代が巻き起こっています。つまりバブルに対して「予防接種を受けていない」投資家が多くなっているのです。これはリスクが高まっているといえるでしょう。

なぜならバブルの本質を知るための経験がないからです。

加えて、大きな戦争の経験者も残り少なくなってきました。第2次世界大戦の経験者が世界にほとんどいない状況になってきました。すると新しい戦争を起こす人が必ず出てくるのです。経験がないからです。戦争のデメリットよりメリットを過大評価する傾向が強くなるのです。

もしかしたら、ドナルド・トランプ大統領がやるかもしれません。北朝鮮の金正恩も戦争経験がまったくありません。戦争の悲惨さを経験したことがないのです。


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