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「成長力」を図る指標として、3期連続の黒字決算で、毎年売上高を増やしている(2期連続増収)こととし、また「居心地の良さ」(働きやすさ)を図る指標として、新卒で入社した社員の3年後離職率が20%以下で、有給休暇の消化平均が年間10日以上であることを条件としている。

対象は『就職四季報?優良・中堅企業版2019年版』掲載の4761社のうち、「3年後離職率」「有休消化平均日数」に有効回答があり、従業員数が300人以下だった2485社だ。グループ企業の従業員数を含めると1000人以上になる企業、過去3期中に決算期変更を行った会社は除外している。

その結果、83社が「成長力があって居心地も良い中小企業」に該当した。ランキングでは3年間の増収率(売上高2期前比)の高い順に並べているが、すべてがそうした企業だといえるだろう。

1位は石材メーカーのフジ大理石

1位は岐阜県の大理石、御影石を中心とした石材の加工、販売施工を手がけるフジ大理石(岐阜県、売上高2期前比245.2%)だ。株式上場しておらず、従業員54人の石材メーカーだが、世界各地の採掘場から高品質な原石を調達しており、高度な設計・加工技術を誇る。国内主要ゼネコンを取引先としており、東京国立博物館、法隆寺宝物館をはじめ、名古屋市本庁舎や豊田市美術館、梅田阪急ビルにも施工実績を持っている。まさにニッチな優良中小企業の代表格といえるだろう。

2位はジャパンマテリアル(三重県、売上高2期前比188.2%)だった。半導体・液晶工場向けの特殊ガス関連事業を中心に手がけており、2011年の上場以来、連続増益を達成している急成長企業。新卒40?50人を採用予定としており、直近1年間の中途採用も150人と、半導体需要の活況に伴って規模拡大を進めているようだ。

そのほか、東京・神田淡路町の新ランドマークである「ワテラス」を手がけた8位の安田不動産(東京都、売上高2期前比152%)、平均年収2139万円で前述の平均年収ランキングトップに輝いた12位のGCA(東京都、同142.5%)、オンラインでデリバリー注文できる「出前館」を運営する15位の夢の街創造委員会(東京都、同135%)などがランクインした。

また、国内に3社しか存在しない短資会社のうち、2社が20位台にランクインしている(22位上田八木短資、27位東京短資)ことも、注目ポイントとして挙げられるだろう。

ほかでは類を見ないほど、さまざまな業態、地域の企業がランクインしているので、ぜひ詳細にご覧いただき、企業研究に役立ててほしい。


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