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GISOVとは、

Goal(ゴール:目的・目標)
Issue(イシュー:課題)
Solution(ソリューション:課題の解決策)
Operation(オペレーション:解決策の実行計画)
our Value(バリュー:自分たちが提供できる価値)

という5つのステップから成る提案の型です。この視点に沿って各要素が提案書に盛り込まれているかを確認するだけでなく、各要素の整合性が取れているかを確認するための型にもなります。

承認する相手にとっても断る理由のない形式

「GISOV」の順番は、提案の内容を深めて完成させるための5つのステップであるのと同時に、プレゼンテーション(以下、プレゼン)の流れとしても、承認する相手にとっても断る理由のない「驚き」「安心」「納得」という3つの要素を含んだベストな形式になっています。「GISOV」と3要素の関係性は以下のとおりです。

驚き……G・I:相手に驚きを与える(その結果、共感を得る)
安心……S・O:相手に「解決策が実現できそう」という安心感を与える
納得……V:承認する理由が明確になる

この「驚き(共感)」→「安心」→「納得(その理由)」という流れは、プレゼンの王道であり、最も論理的に理解してもらいやすい形式です。つまり、「GISOV」という順番そのものが、プレゼンとしても説得力が高い「よい提案」になるということです。

特にコンサルティングや営業の場合、顧客側の担当者は、日々、現場の業務に触れているため持っている情報量が多く、課題にも向き合っています。そんな中で、当たり前の課題を提示しても「は??そんなこと、わかっているよ」と言われて、それ以降の解決策の提案は聞いてもらえないでしょう。

だからこそ、「そもそも本当に目指すべきゴールは何か」「ゴールを達成するために発生している『真の課題』は何か」を見いだすために足を運んで調査し、考え抜き、顧客がよりよくなる前提で、目標(ゴール)と課題(イシュー)を「再設定」するのです。そうすることで、顧客=解決策の「当事者」に「あっ、その視点があったか」「こう考えればいいんだ」と興味を持っていただくことが大事なのです。

とはいえ、「驚き」だけの提案であれば、アイデア勝負でどんなことでも言えてしまいます。「驚き」を与えたゴール設定や課題を「具体的にどう解決して実現するのか」や、「その解決策をどんな手順でやればいいのか」が見えないことには、机上の空論で終わってしまうでしょう。「驚き」に加えて、実現できそうという「安心」が加わることで、発注者としても、はじめて解決策として提案を受け入れる土壌ができます。

しかし、安心感を与えたその会社が、自分に仕事を発注するとは限りません。なぜなら、方法論を知ったいま、「自分たちでもできる」と思っても不思議ではないからです。さらに残酷な(でも実際にはよくある)話をすれば、自分たちの提案を、価格の安いどこかの他社にやってもらうこともできなくはないわけです。


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