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3月8日、国際女性デーに合わせてソウル市内をデモ行進する女性たち(写真:REUTERS/Kim Hong-Ji)

米国芸能界で2017年末から相次いだセクシャルハラスメント(セクハラ)告発の「#MeToo」運動は、2018年1月には韓国にも飛び火し、3月上旬の時点でも拡大が続いている。セクハラにかかわった有名人や大物政治家が相次いで失脚し、自殺者も出た。

韓国人はこの事態の展開に唖然としている。この運動は今後もさらに広がりを見せ、より多くのドラマが展開すると予測される。実のところ、韓国社会でセクハラが昔から広く行われてきたというのは、決して不思議なことではない。「セクシャルハラスメント」を韓国語で言う場合、二つの翻訳がある。

韓国に存在するセクハラ「性戯弄」と「性醜行」

比較的に軽いのは「性戯弄」(言語でひやかしたり体に触ったりするケース)、重いものは「性醜行」(胸や尻を触ったり、スカートに手を入れて太ももを触ったりするケース)。男尊女卑の社会文化や父権主義が強い点で、韓国はアジアでもセクハラの先進国だと言える。「男性至上主義」「ショーヴィニズム」が大手を振ってまかり通る国だ。

1980年代、筆者が台湾紙の韓国駐在特派員だった時、なぜ韓国に外で働く女性が少ないのか、なぜ女性は結婚すると職場を離れて家に入って夫と子どもに仕え、外の社会に顔を出すことが非常に少ないのかについて疑問を持っていた。

これに対し、ある華僑が次のように分析したことがある。それは、韓国では職場でのセクハラが非常に深刻であり、若い部下にセクハラをする男は、自分の妻が他人からセクハラを受けるようなところには絶対に行かせないからだ、と。これは確かに道理にかなっているように思える。この分析は、筆者が聞いた中で、さらに筆者の経験に照らし合わせても最も本質を突いた、しかし特異なものだった。

韓国では女性の地位が低く、長期にわたって「男は外、女は内」という社会文化が形成されてきた。たとえば1980年代中期になっても、韓国ではタバコを吸う主婦に対し、夫は離婚を求めることができた。夫が外で働いてお金を稼いで帰っているのに、妻は外で遊びまわり、悪い友達と付き合ってタバコを吸うようになる場合、タバコを吸うこと自体が「良家の女性」ではないというわけだ。


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