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まず、お互いのお財布をクリアにします。やっていない夫婦は、抵抗があるかもしれません。しかし、目指すは「使うべきところにおカネを使い、かつ、貯められる家計」です。もし万一、読者の皆さんの家庭が「貯蓄」に対しピンときていないなら、「子どもがあと何年後に大学に入学するのか」を考えると、貯蓄の重要性が現実的に見えてくるのではないでしょうか。

竹下家のお子さん2人の歳の差は2歳です。つまり大学に進学するときには少なくとも2年間、学費の支出が重なることになります。大学の学費は、半年払いか年払いなので、まとまったおカネが必要です。「足りないので(返済義務のある)奨学金」は、借金をするのと変わりません。ぜひ避けたいものです。実は、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金利用者は、無利子、有利子合わせて134万人(2017年度)。年収が1000万円以上ある家庭が10.6%を占めています(大学昼間部・「平成28年度学生生活調査」JASSOより)。同奨学金は、所得制限があり、これ以外の教育ローンなどを合わせるともっと多いかもしれません。年収がある程度あっても「貯蓄をする意思」と、「貯める仕組み」を持っていなければおカネは貯まりません。

今の収入は「今の生活費」に使うと同時に「将来かかる子どもの学費や自分たちの老後の生活を支えるものでもある」ということを自覚しましょう。依子さんご夫婦は、これまで一度も家計についてきちんと向き合って話をしたことがなかったそうですが、相談後、依子さんは一大決心。夫婦で話し合いをすることにしました。

びっくり!やっぱり「貯蓄レス」家計だった

2度目のご相談に来たとき、依子さんは肩を落としていました。夫の現在の手取り年収は460万円、貯蓄は100万円弱だというのです。さすがにもう少し貯蓄があると思っていたそうなのですが、依子さんのご主人も貯蓄に対してピンときていない人だったようです。しかし、落ち込んでいても仕方がありません。まずは「おカネが貯まる人」になるための公式である「人生設計の基本公式」に従って、「必要貯蓄率」を計算することから始めてみましょう。

人生設計の基本公式とは、ひと言でいえば老後(通常65歳)に「現役時代の何割の生活水準で暮らすか」(通常は7割)を決め、それまでに「手取り年収の何割を貯めるべきか」(=必要貯蓄率)を計算するものです。誰でも3分で計算できます。


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