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ビジネスとは、商品やサービスを媒介とした人と人の関係。ですから、つまるところビジネスで肝心なのは人間関係ということになります。文書に気持ちを込めて、相手に伝えるのは人間関係を良好にするためのビジネススキルです。したがって、ビジネス文書に自分の気持ちを込めて相手に伝えることができる人は、それだけ有効なビジネススキルを持っている人と言えます。

固有名詞の活用が人間関係を良好にする

人間関係を良好にするための基本は、相手に対するリスペクトです。もちろんビジネス文書のフォーマットも、その点は十分に配慮されています。

そこへさらに相手に対するリスペクトを表現する方法などないように見えますが、実はそうでもありません。欧米では、「世界で最も美しい響きを持つ単語とは自分の名前」と言います。ビジネス文書では、先方の固有名詞はあまり出しません。文書のあて名の欄に

〇〇会社
△△部◆◆課長?□□□□様

とあるだけで、本文中にはまず出て来ないのが一般的です。だからこそ、単に「いつもお世話になっております」という決まり文句に相手の名前を加えるだけでも、印象はだいぶ変わります。もし、あなたの名前が田中さんであれば、「田中様にはいつもお世話になっております」と固有名詞がひとつ入ることで、定型文であっても、もらった田中さんにとっては気分が悪くないはずです。

本文中の用件についてでも、たとえば新製品の案内状を送るとき、その新商品を開発する過程で、得意先の田中さんがヒントをくれたとしたなら、単に「これまでよりずっと良い製品ができたと自信を持っておりますと自画自賛するよりも、「田中様にいただいた一言のおかげで、これまでよりずっとよい製品をつくることができました」と先方の厚意を讃える一言があるほうが印象はだいぶよくなります。


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