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日本学生支援機構の調べによると、4位の早稲田大学は、2017年(5月1日時点)の留学生受け入れ数が日本一だ。早稲田大学は、雇用者による評価や卒業生の活躍などの項目でランキングされる、イギリスのQS社の「QS Graduate Employability Rankings 2017」で26位に入っている。国内の大学では2年連続の1位で、海外機関から卒業生の活躍が認められている大学といえるだろう。

5位の立命館アジア太平洋大学は、大学の定員規模がそれほど大きくないため、留学生の実数は早稲田大学ほど多くないが、全学生の半数は留学生で、開学以来、138以上の国と地域から学生を受け入れてきた。国際基督教大学と同様に、キャンパス内に日本人学生と留学生がいっしょに生活する寮がある。運営は日本人学生と留学生が協力して行い、多様な国籍の人や文化を受け入れる素地が養われる。

グローバルの取り組みが高校教員に伝わらず?

古くからグローバル人材養成に向けた学部を持っていたのは9位の立命館大学。1988年にできた国際関係学部では、今春、「アメリカン大学・立命館大学国際連携学科」を設置し、アメリカン大学と立命館大学が共同で単一の学位を授与する、ジョイント・ディグリー・プログラムを展開する。

さらに来春は、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションによる世界大学ランキングで、8位東京大学(世界大学ランキング46位)と変わらない順位のオーストラリア国立大学(同48位)と立命館大学の両方の学位取得を目指す、グローバル教養学部を開設する。学部生全員が4年間で2大学の学位取得を目指すのは日本初の取り組みだ。

このように、ランキング上位の大学がさまざまな取り組みで多くのポイントを獲得する中、気になるのは、中位以下の大学のポイントが意外に低いこと。30ポイント以上の大学は30校しかない。30ポイントに届かない大学には、32位の慶應義塾大学や34位の名古屋大学などSGU採択校も含まれている。

SGU以外でグローバル人材の育成に定評がある大学も少なくない。それにも関わらず、高校教諭のポイントが伸びず、特定校に集中するのは、各大学のグローバルの取り組みが伝わっていないからだろう。受験生にとって、グローバル人材を育成する大学の選択肢は、多いに越したことはない。日本のグローバル化を促進するためにも、各大学の発信力が今こそ求められている。


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