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 熊本地震で宿泊客を亡くした負い目から前を向けずにいた温泉宿の主人が、震災から2年を経てようやく立ち上がろうとしている。背中を押したのは遺族の言葉と、同じく被災した同業者の誘いだった。

 熊本県南阿蘇村で「ログ山荘火の鳥」を経営していた出野(いでの)靖雄さん(53)は、2016年4月16日未明の「本震」発生時、隣町の自宅にいた。

 村に通じる道を探し、何時間もかけてたどり着いた時、客室用ログハウスや管理棟が土砂に押し流されていた。唯一の宿泊客だった香川県東かがわ市の鳥居敬規さん(当時42)と妻の洋子さん(同37)を、自衛隊や警察が懸命に捜索しているところだった。

 敬規さんは18日に、洋子さんは19日に、遺体で見つかった。14日の前震で予約キャンセルが相次ぐ中、夫妻から泊まれるかの確認の電話があった。当時はほとんど被害がなく、出野さんが交通や宿泊に支障がないことを伝えた。

 「なぜ宿泊を断らなかったのか…



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