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料理をどう見せるかだけでなく、自分をどう見せるかという発想も求められます(写真:手島さん提供)

飲食店は、おいしい料理を提供するだけでは繁盛しません。

ミシュランで星を獲得した店であっても同じであり、むしろ興味本位で訪れるお客様の来店が増えることで客単価が落ち、結果として売り上げが下がることもあります。

フランスでは「売り上げを稼いでこそプロ。それは一流シェフでもあっても変わらない」という考え方があり、店のブランディングやPRもシェフが手がけるべきだとされています。

手島さんも、他の店をプロデュースしたり、ブランドとコラボレーションしてお土産を作ったりと、さまざまな活動に力を入れています。

将来的には、キッチンが客席内にレイアウトされたお店や、シェフの養成学校などの立ち上げも計画しているとのこと。

描いているビジョンも従来のシェフ像から突き抜けています。

“突き抜ける大胆さ”を示す良き手本

「作った料理をそのままシェフが渡せる店があってもいいと思うし、シェフを目指す人が少ない時代だからこそ本物を育成したいとも思う。自分が思ったことにはできる限りチャレンジしたいですね。守りに入りたくはありません。

リスクはありますが、万が一お店がなくなってしまっても大丈夫です。だって、ゴミ箱に隠れていた時代だってあったんですから。また這い上がりますよ」(手島さん)

もともと持っている感性に、“突き抜ける大胆さ”が加われば、世界の最前線に立つ日本人はさらに増えていくはず。

良き手本として突き抜け続ける手島さんのアクションに、今後も注目していきます。

山田 敏夫 ファクトリエ代表

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やまだ としお / Toshio Yamada

1982年熊本県生まれ。大学在学中、フランスへ留学し、グッチ・パリ店で勤務。卒業後、ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社へ入社。2010年に東京ガールズコレクションの公式通販サイトを運営する株式会社ファッションウォーカー(現:株式会社ファッション・コ・ラボ)へ転職し、社長直轄の事業開発部にて、最先端のファッションビジネスを経験。2012年、ライフスタイルアクセント株式会社を設立。2014年中小企業基盤整備機構と日経BP社との連携事業「新ジャパンメイド企画」審査員に就任。2015年経済産業省「平成26年度製造基盤技術実態等調査事業(我が国繊維産地企業の商品開発・販路開拓の在り方に関する調査事業)」を受託。年間訪れるモノづくりの現場は100を超える。

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