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ネタバレ厳禁

最近ネットのクチコミで話題になる映画で多いのがこのパターンです。

ある意味サプライズの延長ではありますが、その内容自体を他の人に言えないのがポイントです。『シン・ゴジラ』『君の名は。』の大ヒットは典型でしょう。ネタバレできない映画だからこそ、相手が映画を見てくれたら映画の話題で盛り上がれるのに、というパターンは、『カメラを止めるな!』でも見事にはまったと言えます。

判官贔屓

これは話題を拡散する要素というよりは、応援しようという気持ちを強化する要素です。

一般的には超巨大企業よりも、小さな会社の方が。

超有名人よりも、身近なアイドルの方が。

より応援してあげなければ、という気持ちになりやすいという傾向がクチコミにも明確にあります。

今回の『カメラを止めるな!』は何しろ制作費300万円で、当初は大手の配給会社も映画館もバックについていませんでしたから、典型的なケースと言えるでしょう。

『今回のカメラ止めるな!』は、この3つの要素が惑星直列のようにきれいに重なっている映画だったと言うことはできると思います。

ただ、個人的に今回の『カメラを止めるな!』の大ヒットの要因を、映画自体の完成度だけに置いてしまうのは本質を見誤るようにも感じています。

作品の力だけで大ヒットに至ったのか?

おそらくこれまでも、ミニシアターで公開された作品の中に、『カメラを止めるな!』に勝るとも劣らない完成度の映画は数多くあったはずです。

海外で受賞して話題になった作品も多数ありますし、多くの映画監督や関係者の方々が、「自分の作品はもっと評価されるべきなのに」とか「見てもらえさえすればわかってもらえるのに」とか「大手映画会社の作品だったらヒットしただろうに」と思っている人も少なくないのではないかと思います。

もしくは逆に、「『カメラを止めるな!』は上田慎一郎監督のように天才の監督が作った作品だから、今回のような奇跡が起こったのであって、天才でなければこんなことは無理だ」と考えるかもしれません。

もちろん、『カメラを止めるな!』が作品として素晴らしかったのは間違いありません。

ただ、いろいろ話を聞いてみると、実は今回の大ヒットが作品の力だけで自動的に生み出されたものではないという事実が見えてくるのです。


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