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また、関係者全員にできるだけツイッターアカウントを作ってもらい、映画に対する思いをつづったり、映画に関する投稿をしている人をエゴサーチして見つけて、発言にいいねをしたりコメントしたり、を関係者みんなでやったそうです。

WEB贈賞式での上田監督の受賞挨拶の様子(写真:WEB広告研究会)

最初の頃に映画を見に行った人が、映画の感想をツイッターに投稿して、監督や俳優の方々がいいねをつけてくれたら、驚くし、感動する人は少なくないはずです。

上田監督が、WEBグランプリの贈賞式の受賞挨拶で「毎日毎日見てくれた方の感想ツイートに、ありがとうという気持ちを込めて、スタッフ総出でいいねを押していくのを1年間ずっと続けてきた。全員のいいねの数を数えたら100万回を超える。その100万回のありがとうが起こした奇跡なのかなと思っている」と話されていたのが非常に象徴的でした。

撮影OK!SNS掲載OK!観客が映画の宣伝部員に

映画の公開後には、毎日のように舞台挨拶も続けられています。

通常の映画の舞台挨拶は、せいぜいやっても公開初日とか記念日だけだと思いますし、写真撮影が禁止されるケースも多いでしょう。

一方、『カメラを止めるな!』においては写真撮影OK。OKどころか積極的に関係者が観客と記念撮影をして、ツイッターへの投稿もお願いしていたそうです。

『カメラを止めるな!』ファンブックには、公開当初はまだ観客の入りが良くなかった池袋シネマ・ロサで、舞台挨拶でのある出来事がきっかけで満席になるようになっていったという逸話が紹介されていますが、こういう一つひとつの地道な取り組みが着実に感染者を増やしていったことがよくわかります。

実は、『カメラを止めるな!』のヒットの陰には、こうした映画関係者の方々の一つひとつの努力の積み重ねがあるのです。

メディアコンサルタントの境治さんによると、実は公開初日の昼間の回を満席にしたのは、新聞の映画評を読んだ年配映画ファンだそうです。(参考:『カメラを止めるな!』は、なぜ爆発的にヒットしたか?関係者に聞いてわかったこと

満席になったせいで見に来た若い層が入れず、入れなかったことをツイッターに投稿するので、この投稿がまた話題になります。

映画の話題が話題になったおかげで、7月14日にはチネチッタ川崎が一番大きなホールを『カメラを止めるな!』のために開けてくれて上映が始まります。

当然『カメラを止めるな!』の関係者はチネチッタでも舞台挨拶をするわけですが、まさかシネコンで上映できると思っていなかったので、感動で泣いてしまった人も多かったそうです。


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