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実際に、チャージ上限額のアップを求める声はあるようだ。JR東日本に聞くと、「電子マネー加盟店の拡大に伴い、上限額の増額を希望するご意見をいただいていることは承知しております」といい、「上限の引き上げについては現時点では予定しておりませんが、利用状況を見ながら検討してまいります」との回答だった。

FeliCaの電子マネーでも、楽天Edyやnanaco、WAONは2万円以上チャージ可能だ(撮影:今井康一)

では、技術的にチャージの上限額はどこまで設定することが可能なのか。交通系ICカードに使用されている「FeliCa」を開発したソニーによると、上限額は決まっておらず、いくらでも設定できるという。

なんと100万円や1000万円という額でも問題はなく、もっと大きな金額でも大丈夫ということだ。

いずれは可能性があるかも?

さすがにそんな高額をチャージする人はいないだろうが、技術的に問題がないのであれば、交通系ICカードの上限額の増額も可能性はあるのではないだろうか。

もしそうなった場合、ほかの電子マネーに合わせて5万円とするか、電子マネー間の競争に打ち勝つ要素としてもっと大きな額にするかは、交通系ICカードを発行している各社局の話し合いの中で決まっていくことになるだろう。

Suicaの発行枚数は2018年3月末で6942万枚に達しており、その他の交通系ICカードも合わせればその枚数は相当なものになる。電子マネーとしての利用場面が増える中、すでにチャージ金額を増やしてほしいという声がJRに寄せられていることを考えると、そう遠くない将来に上限額の引き上げが行われたとしても不思議ではない。

小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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