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窃盗グループの仲間集めだけでなく、ターゲットの情報集めなど、さまざまな場面でSNSは活用されている。一部の逮捕者たちは、「SNSで募集されていたので罪悪感があまりなかった」そうだ。

インスタグラムに巣食う「SNSヤミ金」

ヤミ金業者も今どきはSNSを活用している。ツイッターやインスタグラムで「#個人融資」などのハッシュタグを使って、借り主を集めているのだ。インスタグラムでは「#家計簿」「#節約」「#家計」などのハッシュタグが人気だが、そのような投稿をたどっていくうちに、融資希望者を募る投稿にたどり着くことがある。

融資希望者を募る投稿が多く並ぶ、インスタグラムの「#個人融資」(筆者撮影)

大抵の場合、金利は法外に高いが、そのような誘いに引っかかる人は一般の消費者金融などで借りられない人が多い。ヤミ金側は、当初は物腰低い態度で、お金を貸してくれるという。しかし、お金を返してから態度が一変する。SNSで交友関係などの個人情報をつかみ、「借金があることをバラす」などと脅されたり、友人などを脅したりして大金を巻き上げる例もあるそうだ。

SNSヤミ金は、ヤミ金側のメリットが多い。身分証明書確認や督促などすべてLINEなどでできるのでコストが抑えられるうえ、交友関係など相手の個人情報を簡単に入手できるからだ。

そして、外国人留学生や技術実習生が、SNSを通じて口座を売る例もある。帰国後は不要になる口座が高く売れるためだ。売られた口座は、振り込め詐欺やインターネットバンキングの不正送金に使われている。警察庁の「平成30年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(平成30年9月)によると、不正送金の一次送金先として把握した358口座のうち、名義人の国籍は ベトナムが約65%を占め、次いで中国が約15%、日本は約12%だった。

犯罪グループはSNSに巧妙に潜み、活用している。では、被害に遭わないためにはどうすればいいのだろうか。


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