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例えば「人身事故で電車が止まっていて遅刻しそう」「いよいよ学園祭スタート!」「行きつけのスタバで新作ゲット」などの情報を投稿し、制服姿の自撮り写真を投稿していた場合、人身事故情報や制服、写真に映り込む学園祭名などから簡単に通学する学校や最寄り駅などがわかってしまう。帰宅時間に行きつけの店で待ち伏せすることもできる。

これは、「モザイクアプローチ」と呼ばれる犯罪者も駆使している手法でだ。SNSなどで公開されている複数の情報を照らし合わせることで、さまざまな個人情報を得ることができる。SNSの投稿から個人が特定されることを自覚し、個人情報は出しすぎないようにすべきだろう。

「留守中のSNS投稿」は要注意

自宅や学校、勤務先など、特定されたくないことにつながる固有名詞や近隣の店、最寄り駅などの情報は公開しないこと。写真は写り込みによって思った以上に多くの情報がわかるため、特に取り扱いに注意が必要だ。

また、留守の時間や期間がわかる投稿もしないでほしい。旅先や出張先などでの投稿はリアルタイムに投稿せず、帰宅してからなど時差をつけて投稿したり、公開範囲を友だちなどに限定して公開したりするのがおすすめだ。

自宅の間取りがわかる写真をSNSで公開したことで、住所を特定された例もある。賃貸物件などは間取りや室内写真が公開されているため、照らし合わせて特定されてしまったそうだ。思った以上に多くのことが個人情報に該当するので、投稿には細心の注意を払いたい。

犯罪グループはGoogleストリートビューなども活用しているため、インターネット上のあらゆる情報に警戒すべきだ。自分のことをエゴサーチし、問題あることは削除、修正依頼を申請するなどしたほうがいい。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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