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「酔う」という状態は、血中のアルコール濃度が高くなることで発生します。そして血中アルコールがゼロになったとき、酔いが覚めた状態、つまり普通の状態に戻るわけです。通常、血中アルコールの濃度がゼロになるためには7?8時間かかりますが、牛乳を飲んでいるとその分解速度が速まり、5?6時間ぐらいで、酔い覚めを早める効果があることが研究でわかっています。

「牛乳が飲めない」「牛乳を飲むとお腹を下す」という人は、「ウコン」などの栄養ドリンクが適しています。ウコンに含まれる「クルクミン」という成分は、胆汁の分泌を促進させ、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を早める解毒作用があります。ただ、ウコンには鉄分が多く含まれるため、摂取しすぎると肝臓に沈着して、肝臓を悪化させる可能性があります。とくに脂肪汁などですでに肝臓を痛めている人は、頻繁に飲まないようにしたほうがいいでしょう。

「チャンポンで悪酔いする」は迷信?

まずはビール。そしてワイン、日本酒、ウィスキー。いろいろな種類のお酒を飲んでベロベロになり、翌日にひどい二日酔いに襲われたとき「昨夜、チャンポンしちゃったからなぁ」などと言いますよね。しかし、「チャンポンした」から「悪酔いした」という図式は、実は根本的に間違っています。なぜならお酒を混ぜて飲むことと、悪酔いすることは、原因と結果がつながる根拠はないからです。

何種類飲んでも「悪酔い」は変わらない

「悪酔い」は、大量のお酒を飲むことで発生する「アルコール摂取量」の問題です。アルコール摂取量が同じだったら、何種類飲んでも1種類だけでも同じ酔い方をします。強いて影響があるとすれば、飲むお酒を変えることで味が変わったり、次の店に行って雰囲気も変化して「飲み直そう」という意識が高まったりして、本来飲める以上のお酒を飲んでしまったという可能性はあります。

ただ、ビールとウィスキーを両方飲んだからといって、そこで化学変化なりが発生することは基本的にはないはずなのですが、「基本的に」とつけたのには理由があります。日本酒やワインなど醸造酒については、蒸留酒と違って発酵した原液を搾るなどして直接お酒にします。この際にもちろん、ろ過はしていますが、何らかの不純物はお酒に残ります。そもそもそんなに生じることではありませんが、不純物同士のぶつかり合いによって、何らかの症状が出る可能性を全否定することはできません。

お酒を飲むと下痢をしやすくなる理由

下痢には原因によっていくつかのタイプに分類できますが、アルコールの下痢は大抵「浸透圧性下痢」に該当します。これは、塩分の多いものや甘いものなど水分を取り込もうとする浸透圧が高いものが腸に残ったとき、腸による水分の吸収を阻害してしまい、腸内に水分が多くなって、便がゆるくなるというタイプの下痢です。

アルコールは小腸で8割がた吸収されますが、お酒を飲みすぎると小腸の粘膜の働きが弱くなり、脂肪や水、ナトリウムなどが吸収されにくくなります。その結果、腸内に水分が多くなり、浸透圧性の下痢になります。しかも、本来なら小腸で消化・吸収されるべきものが吸収されず大腸に流れ込むので、同じ量を食べてもアルコールを飲んでいないときより排出物が増えてしまうのです。

腸のために「ポリフェノール」をこまめに取る

数あるお酒の中で、腸内細菌にとって特別な働きを示すお酒があります。それが赤ワインです。赤ワインの原料となるブドウの皮には、老化を促す活性酸素に対抗する抗酸化作用を持った「ポリフェノール」が含まれています。赤ワインによって動脈硬化予防、がん予防、腸内バランスの改善、脂質代謝異常や糖尿病に効果があることも確認されています。さらに、がんの治療薬として使われている「オプジーボ」という薬の作用を補助する可能性があるとも推測されています。


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