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「デオナチュレは、社員がたまたま海外で発見した直塗りタイプの制汗剤をヒントに“こういう商品は日本にない。売れるのでは”ということで開発スタートしました。タイで生産しておりますが、当時、ノウハウも何もないところで、品質の安定などに非常に苦労しながら開発したと聞いています」(シービック?U&Iマーケティング本部?マーケティング部部長西村裕美子氏)

正確に言えば、肌に直接塗るロールオンタイプの商品はそれ以前にも国内で販売されていたそうだが、薬剤自体を直接押し当てて塗りつける商品を発売したのは同社が初めてという。「直塗り」という言葉を使っての訴求も、同社が先駆けだ。女性用のデオナチュレを1999年に、男性用の「男デオナチュレ」を2000年に発売した。

効果が長時間続く、1本を1年程度使える

「デオナチュレ?男ソフトストーンW」1000円(筆者撮影)

このデオナチュレの元祖は「デオナチュレ?クリスタルストーン」という商品名で発売されているもので、天然の制汗・殺菌成分であるアルム石(ミョウバン)100%から製造されている。直接塗る、天然成分100%という特徴がユニークということで、発売当時、高い反響があった。表面を水で湿らせてから塗るタイプなので、やや手間がかかるが、効果が長時間続くことと、1本を1年程度使えることなどがメリットで、発売当初から使い続けている愛用者もいるという。

「ロイヤルユーザーのお客様は、シャワー後の濡れた肌にすぐつけるというふうに工夫していらっしゃるようです」(西村氏)

水で湿らさずに使えるタイプを2002年に発売し、現在「デオナチュレ?ソフトストーンW」として販売している。アルム石100%ではないが、手軽に使えることで売り上げを伸ばした。「デオナチュレ」シリーズ全体の売り上げを見ると、2016年は2008年に比べて女性用は約3倍、男性用は約12倍に伸長している。なお、売り上げの伸びは、クリームやジェルタイプ、パウダー、足用商品などと、シリーズラインナップを増やしてきたこととも関係している。

「当社はあまり広告宣伝をしないのですが、特にデオナチュレについてはクチコミで伸びた商品だと感じています。また、男性のクチコミ力は女性に比べて低いものですが、デオナチュレでは、ウェブ通販のクチコミ欄などで男性の投稿も多いように思います」(西村氏)

クチコミで急激に売り上げが伸びた理由として、「汗やニオイについては、つけたとき効果が明らかに実感できる」からではないかと分析している。また興味深いのが「デオナチュレは代理購買が多い」(西村氏)という購入傾向だ。本人でなく、女性が家族に買っていくパターンが多いらしい。


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