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ニオイは自覚することがなかなか難しい。また、こうした話については、恥部を見つめるがごとき居心地悪さを感じ、問題を直視できない男性も多いだろう。意識の高さが、行動に直接結び付かない場合もある。「男がにおって何が悪い」という開き直り型もいるかもしれない。

「ニオイの問題で難しいのは、自分で気づきにくいことと、周囲からは指摘しにくいこと。ただ、社会的な意識が高まることによって、差別意識が生じたり、本人がいたたまれない思いをするようなことになるのは、避けなければなりません」(マンダム?奥氏)

「自分がにおっているのではという不安が、ストレスとして汗腺を刺激し、かえってイヤなニオイを発してしまうことがあります」(シービック?西村氏)

男性と女性のニオイのメカニズムは、基本的にはあまり変わらない。男性のほうがより目立つのは、汗や皮脂の多さによるものだろう。「誰でもにおう可能性がある」という前提で、男女ともに身だしなみのひとつとして心掛けていく時代となりそうだ。結果として、デオドラントの市場は今後も多様化、活発化していくと思われる。

中でもマンダムが大きな期待をかけているのが「ミドル脂臭」ケア商品だ。マンダムの研究によって明らかになったニオイで、30歳後半から40代後半にかけて強くなる「使い古した油のようなニオイ」だそうだ。加齢臭が胸や背中から発するのに対し、ミドル脂臭は主に頭部、首の後ろから発生するという違いがある。マンダムの研究では「女性が不快と感じやすい」という。

この体臭をケアする商品として、メンズコスメブランド「ルシード」より、殺菌成分配合のシャンプーやコンディショナー、ボディソープをラインナップしている。950?1450円と、この手の商品としては高いが、2014年の2月発売以降、売れ行きが伸びている。

5人に1人が「脇毛が濃い」と思っている

「デオナチュレ?男すっきりジェルバー」(オープン価格)。下のダイヤルを回し、ジェルを押し出しながら塗る(筆者撮影)

シービックでは、男性用のデオナチュレシリーズから「体毛の濃さ」に着目したジェルタイプの商品を発売。「脇毛があって塗りにくい」「制汗剤が肌まで届かないのではないか」という不安に応えた。

「弊社の調査で、男性の5人に1人が、“自分は脇毛が濃い”と思っていること、“体毛が濃いと体臭も強いのではないか”と感じていることが明らかになりました」(西村氏)

ダイヤルを回転させると溝からジェルが押し出されてくる仕組みで、直塗りの手軽さはそのまま、しっかりと吸着することが特徴だ。

「汗、ニオイの対策方法はシャンプーやボディソープ、柔軟剤など、さまざまなカテゴリーで増えてきています。使用感の好みなども個々で異なりますので、特に男性の市場は今後も拡大が期待されます」(西村氏)


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