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愛子さんに関してはいったん棚上げにし、そのご実家との関係を、まず考えたいと思います。まず先方が、姻戚付き合いは最小限にとどめたいと考えておられる場合です。“家同士が結婚するのではないから、形式的な親の出番は、極力御免被りたい”と考える人は少なくありません。

私も形式やしきたり、伝統を踏んでこそ心も豊かに通う人間関係があることを、信じています。ただ「家制度」時代のしきたりにやみくもに従うよりは、時代に合った工夫や省略があってもよいと考える者です。愛子さんの親御さんが、このようなお考えでの行為なのかどうかはわかりませんが、そしてあなたたちには思いも及ばない価値観かもしれませんが、参考になる考え方だと思います。

いくつかの形式を省くのも1つの知恵

関東の私の友人の息子が結婚するとき、恋愛結婚でしたので友人は、この出来レースの親の顔合わせを式当日の前にやりたいと、九州の相手方に提案しました。相手方の母上は、「わが家を安く見られたようで悔しい。あいさつの丁寧さで、家柄と誠意を見たい」と、すべてのしきたりを踏むよう、言ってきたそうです。

ならばと伝統を重んじる家風で育った友人は、地方のしきたりも持ち出して、由緒正しい贈り物と手順を整えて、九州まで出向きました。これには先方も感激し、「よろしく娘の教育を」と平身低頭でお願いされ、しかし「花嫁姿は女の夢」と、派手な披露宴を要求されたとか。

ところがその後、友人の普通のあいさつ程度の言葉にも、息子夫婦と先方の親は、「姑根性だ」と複雑にこじらせるので、恐ろしくてモノも言えない関係だとか。もちろん顔合わせ時に「よろしくお願いされた嫁教育」など、出番もありません。

友人はこのような相手の心貧しい言動のお陰で、あの顔合わせから派手な披露宴までが、すべて茶番に見えると怒り心頭です。何かにつけて形式さえ整えば、心が伴わなくとも満足する人がいますが、この忙しい時代に、一方が望めばいくつかの形式を省くのも、1つの知恵ですね。

私は半分以上割愛させていただいたあなたのご相談文から、先方の「付き合いの悪さ」は、親同士の経済格差、息子夫婦の学歴差など、コンプレックスからくる気後れが原因と見ました。その場合はお中元やお歳暮のやり取りは、とても負担ですし、神経も使います。お互いになしと申し合わせるほうがずっとよい場合があるのです。


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