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たとえば、今年6月に開かれた「東京サマーキャリアフォーラム」では253の会社がブースを開き、6000人の学生が参加した。また、11月中旬に、米ボストンで開かれる世界最大規模の日本語・英語バイリンガル学生向け就職フェア「ボストンキャリアフォーラム」には、1万人以上の学生が参加するとみられている。供給も需要も固い。

では、留学生たち自身はどうなのだろうか。より大きな経済圏で働けるという魅力のほかに、多くの人はそれぞれ日本にとどまる個人的な理由があるようだ。

たとえば、チリ人と日本人の血を引くルナさん。流暢(りゅうちょう)な英語とスペイン語を話す彼女は、東京のトップレベルの公立大学卒業生である。日本の治安のよさ、便利さ、食べ物のおいしさのほかに、日本語を「完璧」にするために、日本で就活することを決めた。彼女の言葉を借りれば、「真のトリリンガルになるため」ということだ。

日本語能力への期待が大きい

中国語と日本語、そして英語のトリリンガルである清(キヨラ)さんも、日本のトップクラスの私立大学でビジネスマネジメントの学位を取得後、日本にとどまる予定だ。「私は日本の就活システムはとてもよくできていると思う。決められた締切日、予想できる面接の質問、そして面接やウェブテストに備えるためのテキストまである」と話す。また、清さんは、米国企業と比べて、日本企業は就活生に直接合否を伝えてくれる「親切さがある」 ことも評価している。

多くの留学生は、日本で勉強をしているうちに、日本に親近感を抱く。ヒェヨンさんは韓国出身だが、最近日本のトップクラスの公立大学で東アジア研究の学士号を取得した。彼女は現在、ゲームアプリを主に開発するITベンチャーで働いている。もともと漫画やゲーム 、ポップカルチャーに親しんでいたヒェヨンさんにとって、それは自然な選択だったといえる。

彼女もまた、GaijinPotやCraigslistといった外国人向けに求人情報を提供するサイトを利用した。「こうしたサイトは、私のように卒業してから何をしていいのかわからない人にはとても便利なサービス」と話す。

ただし、こうして日本で就職をしたいと考える留学生にとって、日本での就活は容易なものではない。たとえば、ヒェヨンさんもそうだが、留学生の多くは日本企業が高い日本語能力を求めていることを不安に感じている。

たとえば、有名私大出身のアレックスさんも、難しいことで知られるウェブテストと筆記テストが必須な金融業界への就職を希望しているが、「各企業が、基本的には同じことを聞いているにもかかわらず、それぞれに異なるエントリーシートやエッセーを出さなければならない」と困惑する。


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