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「しかも、ウェブテストは日本語が母国語の人でも難しいと思われる問題が出題されていて、どうにもしようがない。何が目的でこんなテストをするのかもわからない。ウェブテストの結果に基づいてスクリーニングされるので、面接を受けることすらできない人も多い。幸運にもウェブテストを通過できた人よりも、その業界での経験があるような人たちが振り落とされるというケースも多い」

「多くの会社は“インターナショナルな人材”が欲しいと言っているが、彼らが主に探しているのは、平均よりも優れた英語能力を有している日本人の学生」とルナさんは指摘する。 確かに、本当に“グローバル”で”インターナショナル”な人と、単に上手な英語が話せるだけという人の間には大きな違いがある。

就活の行われ方にも疑問

真のインターナショナルな人材というのは、世界を探索し、違う文化を経験して、その知識やノウハウを日本に持って帰ってくるような人である。しかし、こういう人が、完璧な日本語能力を有していることはむしろまれだ。

多くの英語を話せる日本人も知っているとおり、語学はその言語環境に身を置けば、自然と上達する。日本企業が真のインターナショナルな人材を望むのであれば、留学生や帰国子女の日本語能力は、就活時には完璧ではないかもしれないが、いったん仕事を始めると、自然と語学能力は向上するということに気づいてほしい。

留学生は就活戦争を乗り切ろうという気持ちはあるものの、就活の行われ方に疑問を抱いている。たとえば、多くの留学生は9月に大学を卒業するが、これは日本の就活シーズンとまったく合わない。また、誰も彼もがリクルートスーツで活動をしないといけないことも理解しがたい。就活では履歴書や自己PRを通じて自らの個性を披露することを期待されるが、なぜ自分自身をいちばん表す洋服で個性を示してはいけないのか。自分の好きなスタイルで面接に臨んだほうが、よりリラックスした気分で自分のベストを出せるかもしれない。

また、日本企業が総じてゼネラリストを望む点も留学生を困惑させている。「なぜ日本企業は、特定の仕事に対する募集ではなく、応募者の専門も決めずに一気に雇いたがるのだろうか。『なぜこの会社を志願したのか』といった質問に対して、どんな仕事をするのか、どんな部門に入れられるのかもわからずに答えるのはとても難しい」とルナさんは話す。


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