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教育市場における地位の後退と連動するように、アップルのiPadは2014年以降、販売台数の前年同期割れが続いてきた。2017年3月に発売した廉価版iPad(第5世代)の登場によって減少トレンドにやっと歯止めをかけることができたが、とても好調とは言いがたい。

アップルが打ち出しているプログラミング学習カリキュラムやその他のソリューションは、非常に単純化すれば「iPadがChromebookに打ち勝つための戦略」そのものであり、今回のイベントでは、いかにグーグルから教育市場を取り戻すかがテーマとなる。

注目ポイントは「価格を抑えたデバイス」

アップルがグーグル「G Suite」のように、教育市場向けのメール・カレンダー・オンラインドキュメント編集・ファイル共有などのソリューションを用意したとは考えにくいが、教室の中で活用する教材のプラットフォームや、教員と生徒、あるいは生徒間で円滑に授業を進めるための仕組みを用意している可能性は高い。

これに加えて、価格を抑えたデバイスの存在が重要になる。米国の新学期は9月から始まる。新学期に向けたデバイス選定に影響を与えるようなインパクトのある製品を打ち出さなければならないからだ。

iPadがどれだけインパクトのある価格を打ち出せるかが注目ポイントだ(筆者撮影)

もっとも中心的なデバイスは、やはり廉価版iPadだ。2017年に329ドルで登場させた9.7インチのiPad(第5世代)は、2世代前のiPad AirのボディにA9プロセッサを搭載し、丈夫さと使い始めてからの低メンテナンス性をアピールした。

今回、イベント招待状の手描きイラストと文字を見ると、廉価版のiPadのApple Pencil対応を想起できる。つまり、2017年6月まで販売されていた9.7インチのiPad Proが廉価版となって登場し、Apple PencilやSmart Keyboardなどのアクセサリに対応するという予測を立てることができるのだ。

また3月に入って、MacBook Airの廉価版が登場するのではないか、という報道が頻繁になされるようになった。MacBook Airは現在999ドル〜。アップルのノートブック型コンピュータであるMacBookシリーズの中で最も安い価格だが、前述のChromebookだけでなくWindows PCと比較しても大幅に高い価格水準だ。


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