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新たな構造にプラカードを掲げた警備員が声を上げ、乗り換え客を誘導している。駅弁ワゴンも出ている。積極施策を記録しようと何人もの鉄道ファンも集まっていたが、当の乗り換え客は階段の上下に労することなく、十分に時間を余して車内に収まった。発車は12時32分である。

今回のダイヤ改正については事前の発表では、上越新幹線から下り「いなほ」6本、上り「いなほ」5本から新幹線が同一ホーム乗り換えとされていた。実際には「いなほ」は一部の臨時列車を例外として定期7往復の全列車が5番線発着となっているものの、接続する新幹線列車のほうが11番線に発着しないケースがいくつかある。

新潟駅の新幹線ホームは2面4線で、在来線より余裕があるように思えるが、改正前のダイヤを見るかぎり13・14番線のほうが発着列車がいくらか多く、該当列車をすべて11番線に入れるには調整が難しかったのかと想像した。

同一ホーム乗り換えを阻む「長さ」

『JR時刻表』の新幹線接続早見表では、速達型の「とき」には停車駅の多い列車が雁行しており、その列車は11番線以外に発着する。そして本来の接続列車のうち11番線に発着しない列車は、14時48分着の321号と、16時49分発の336号、18時12分発の342号、上下3本で、いずれの列車も「Maxとき」16両編成の列車なのである。

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新幹線側の11番線は16両対応であるが、乗り換えホームはどうか。新幹線列車の16両編成は長さ400mであり、在来線「いなほ」は7両編成約140mである。つまり、このアンバランスが、結果的に同一ホーム乗り換えを阻んでいる。すでに発表されているように、MaxE4系がE7系に置き換えられると上越新幹線も最大12両編成となる。

一方、「いなほ」以外にも5番線発着はあり、それらの列車に合致する新幹線列車がある場合、乗り換え改札を機能させている。上り新幹線が発車する際は、発車2分前に乗り換えホーム側のドアは閉じられる。

新たに高架となった在来線側を巡ってみると、1番線の建設がこれからの2番線が半身なのを筆頭に、完成して見違えるようになった部分と、むしろ手狭になった部分が同居している。新潟駅メインの万代口へは仮設の通路から既存の跨線橋へと歩を進めることとなり、そこでガラッと世界が変わる。90mほど歩行距離も延び、地上に残る8・9番線との乗り換えには、当面注意が必要なようである。一方で、跨線橋とは逆側の西口改札外には新潟の物産を扱う洒落た店舗が開店。良い品々を扱っており、夫婦やグループ等、シニアの観光客で大いににぎわっていた。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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