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 同公園では約20年前から、環境省の許可を得て、鳥類標識調査員の有資格者である桐原主任指導員らが、ネットを張って渡り鳥を捕獲している。渡りルートの解明が目的だが、一日に300羽近くが集中した飛来は近年にない異常事態という。

 捕獲の大半を占めたコヨシキリとシマセンニュウの2種は北海道などで繁殖し、越冬地の東南アジアなどに向かう夏鳥で、移動中に同公園を通過する。通常、この2種の渡りのピークは時期がずれるのだが、なぜか今季はこの日に集中した。

台風の通過が影響?

 シマセンニュウは、同公園が国内有数の渡りの重要な中継地だ。公園では昨年までの約20年間の調査で、渡り鳥など95種約2万8千羽に新たに足環を装着。このうち、シマセンニュウは3番目に多い約2800羽にのぼる。

 しかし他の地域でシマセンニュウはほとんど確認されず、他地域で足環が付けられたシマセンニュウを同公園で捕獲した例は3羽にすぎない。このため国内での移動データは同公園の調査頼みとなっており、なかなか移動ルートの解明に結びつかないでいる。

 今回の大群飛来について、桐原主任指導員は「台風の通過など気象条件が大きいだろうが、別の要因もあるのでは」とみる。

別の要因も

 確かに秋の渡り時期は台風シーズンと重なるが、その度に異変が起きているわけではない。桐原主任指導員は「各地で設置が進んでいる太陽光発電のソーラーパネルが影響している可能性もありそうだ」と指摘する。どういうことか。



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