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 シマセンニュウは背丈の高い草むらをよりどころに移動している。そもそも、ヨシ原などに潜み、ほとんど姿を見ることのない渡り鳥だ。

 ところが、これまで移動で利用していた沿岸部や平野部に突然ソーラーパネルが出現すれば、ルート変更を強いられることになる。鳥取県内でも、雑草が生い茂っていた小高い丘や耕作放棄地にいつの間にかソーラーパネルが林立。それが移動ルートに変化を及ぼしたとの推測だ。

他にも異変が

 同公園では今季、これ以外にも変化が観測されており、変則的なシーズンとなっている。渡り鳥のシギ・チドリ類で常連のハマシギが少なく、代わってトウネンが目立つのもそう。また9月24日には、渡り鳥ムジセッカとエゾセンニュウ各1羽を調査で初めて確認した。

 調査とは別に、公園近くの日本海沿岸で9月14日、トウネンの群れに交じり、世界生息数500羽以内とされる希少なヘラシギ1羽が飛来しているのも確認された。

 さらに、冬の使者コハクチョウが10月5日、島根県内に今季初飛来したが、これは鳥取、島根両県の山陰地方では過去最も早い飛来だ。初飛来の場所はこれまで同公園だったが、飛び越えて島根県に姿を見せたのも初めて。

 こうした異変は一過性のものなのか、今後も続くのか。同公園は渡り鳥たちの動向を注視している。(山根忠幸)

(10月17日掲載)



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