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そこで今年度から2カ年でバス情報、モノレール情報、航路情報、レンタカー情報、観光地情報などを網羅的に整備し、オープンデータとして公開しようという計画が始まった。バスやモノレール、航路の情報はGTFS形式で整備し、Googleマップに反映させることで、経路検索で路線バスなどの交通機関が漏れなく表示されるようにする。そして観光客に公共交通機関の存在を「認知」し、利用してもらおうというのだ。

経路検索サービスはほかにもある。その中でもGoogleマップへの交通情報の掲載に沖縄県がこだわるのは、沖縄県にやってくる外国人観光客の増加にある。彼らは日本国内で開発された経路検索サービスの多くは使えず、世界共通の「Google」を頼るのがほとんどだからだ。

外国人も地元住民も使える案内を

昨年度の統計では沖縄県の年間観光客数約958万人のうち約269万人が外国からの観光客だった。外国人観光客数の伸び率も前年比約26%増と、いま伸びに伸びている。内訳では台湾が年間約81万人と最も多く、続いて年間約54万人で韓国と中国が並ぶ。国際免許に関するジュネーブ条約に参加している韓国・台湾からの観光客は、レンタカーの利用が少なくないという。

沖縄県内ではバスが公共交通の主力だ(筆者撮影)

しかし、日本人が海外に行くときにレンタカーを積極的に借りるだろうか。どうしても現地に行く交通手段がないか、不確実な場合に仕方なく借りることが多いのではないだろうか。これは日本に来る外国人観光客も同じだ。また、最近ではGoogleマップ片手の外国人に店の場所や交通機関の乗り方を聞かれることは珍しくない。

「(ある場所への)行き方を聞かれたとき、使ったことのある見慣れた地図であれば地元の人も案内がしやすい。そして、地元の人の案内で外国人観光客をサポートできればおもてなしにもなるし、観光客の満足度向上につながる」と大仲氏は言う。

そのためには地元の人も同じような地図を、ひいては公共交通を普段から使っていることが重要だ。そこで国内観光客、外国人観光客、そして地元住民が皆使えるGoogleマップで検索しやすくすることが重要になってくるのだ。


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