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インプレッサの販売動向は、広報部の調査によれば、発売以来4ドアHBが全体の80%におよび、4ドアセダンが20%の比率である。また4輪駆動が60%で、前輪駆動は40%とのことだ。日常的にごく普通に乗れるFFハッチバック車として、インプレッサの評価が高い様子がうかがえる。

手ごろな大きさのハッチバック車としてのインプレッサがなぜ昨今のSUVブームとは別の人気を保持し続けているのか。理由の1つに、安全装備に対する顧客の評価が見えてくる。

現行インプレッサ(ハッチバックとセダン)とクロスオーバーのXVとも、安全機能や装備に対する顧客満足度は90%に達し、前型に比べインプレッサで20ポイント、XVで10ポイントの向上となっている。もともと安全に対する期待が高かったところに、さらに上乗せとなった。

人と同じ2つの目で状況認識できるアイサイト技術

インプレッサに限らず、SUBARUといえばアイサイトによる予防安全と運転支援が人気だ。世界でもまれにみるステレオカメラ(フロントウィンドウ上端に左右2つのカメラでセンシングする)により交通状況を検出し、衝突安全のほか車線維持など運転支援を働かせる。他社が、原価優先で単眼カメラとレーダーで同様の機能を装備するのに対し、SUBARUはあくまで人の目と同じようにステレオカメラで見ることにこだわった。

この技術は、30年近く前の1989年からSUBARUは独自に取り組んできた。そして地道に公道を走り込みながら、画像処理技術を磨き続けている。それによって、ほかの自動車メーカーの技術者にアイサイトの評価を聞いても、「なかなかあそこの水準まで追い付けない」との率直な答えが返ってくる。またSUBARUの開発者自身も、「他社の機能がどうのと比較するのではなく、あくまで自社の技術を磨くのみ」と、語る。

その成果は、実際にアイサイトを使ってみると感じられる。たとえば、混雑した都市交通の中で前のクルマに追従しながら走行する際、数台先のクルマがブレーキを掛けて減速しはじめると、まだ前のクルマが減速を始める前に車間距離が詰まりそうだと構える様子を感じることができる。それは、ステレオカメラをカラー化することにより、ストップランプや信号などの色の変化をとらえることができ、画像処理によって予兆をとらえられるからではないかと思う。

単眼カメラとレーダーを使う方式では、前方の障害物はカメラで認識しても、前を走るクルマとの車間距離はレーダーに依存する場合が多いので、実際に車間距離が縮まりはじめてからしか減速制御が作動しない。しかし運転者は状況を目で見て速度を下げる可能性を認識するので、レーダーの検知では遅いと感じることがある。

日常的にクルマを運転する人こそ、わずかな感覚のズレが気になるはずだ。そのズレを極めて少なくしているのが、人と同じ2つの目(ステレオカメラ)で状況を認識することにこだわったアイサイトである。

4ドアセダンタイプのインプレッサG4(写真:スバルグローバルメディアサイト)

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