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宇都宮市の中心部はJR宇都宮駅周辺ではなく、そこから西に1kmほど進んだあたりとなる。JR駅から延びる大通りを境にして北に栃木県庁、南に宇都宮市役所があり、西には東武宇都宮駅が位置する。

全国軽トラ市の会場となったのは、大通りのすぐ南を東西に貫くオリオン通りというアーケードだった。第2次世界大戦直後の1948年開業という歴史を持ち、曲師町・一条町・江野町の3町を貫くことから、中央に3つの星が並ぶオリオン座のように輝く存在になってほしいという願いをこめて名付けられたそうだ。

筆者がこれまで写真で見た軽トラ市はどれも屋根のない通常の道路だったし、アーケードは自動車の通行を禁止している場所が多いので、この設定は意外だった。

オリオン通りは以前、宇都宮を訪れた際に足を運んだことがある。平日の昼頃だったこともあり、買い物客はまばらであり、シャッターを下ろしている店も目についた。ところが軽トラ市の会場となったオリオン通りは、週末ということもあり、別の場所かと思ってしまうほどにぎわっていた。

全国から駆けつけた軽トラは63台

栃木県内をはじめ全国から駆けつけた軽トラは63台で、道の中央に縦列をなしていた。中央に車両を置くので荷台の両側に商品を展示できるし、両側の商店もいつもどおりの営業ができる。

段ホ?ールを工夫して商品棚に仕立てた軽トラ(筆者撮影)

東武宇都宮駅側からアーケードを進み始めてすぐに気づいたのは、軽トラの荷台が、人間が歩きながら買い物する際にちょうどいい高さであることだ。その荷台の上に、段ボールで棚を作ったり、木箱を斜めに重ねて置いたりして、より見やすい展示をしていた。商品そのものだけでなく、ディスプレーの工夫を見るのも楽しい。

しかも軽トラだから、商品、ディスプレー、販売員のすべてが1つのパッケージで移動できる。おまけに平日は普段の仕事に使える。軽トラの新たな可能性を引き出した活用法であり、10年あまりで100近くまで増えたことに納得する。

中でも目を引いたのは、アルミのフレームとステンレスの台座で三方開きのボックスを荷台に構築し、中でリンゴやシイタケを販売していた車両だ。話を聞くと、本業は自動車のカスタムで、自作のボックスの宣伝のために参加したとのこと。農産物は知り合いが作ったものを委託で販売していた。

三方開きのアルミ製パネルバン(筆者撮影)

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